安寿姫
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あんじゅひめ
概要
鎌倉時代以降江戸時代までに庶民の口承文芸として形成した説話の1つ。説教節として語り伝えられ、江戸時代には浄瑠璃や歌舞伎、浮世絵、読本などの題材となり広まる。
別名
あらすじ
平安時代。奥州の太守岩城判官将氏は無実の罪によって筑紫に流刑。娘の安寿姫とその弟、の津塩(厨子王)丸母と共に流刑先に向かう。その途中、山岡太夫にだまされ母は佐渡ヶ島へ売られ、姉弟は三庄太夫に売られて奴隷となる。津塩(厨子王)丸は逃亡し、京都清水寺へ入り、後に出世。安寿姫も逃亡するが京へ上がろうとする途中に絶命。
歴史
説教節
- 「丹波の穴太より、尋ね出だし、高手小手に縛めて、国分寺へぞ引きたりける」
草双紙
黒本(宝暦)『由良の湊三庄太夫』作画:鳥居清信
1756年(宝歴6年)『山椒太夫 老花聟』版元:鱗形屋孫兵衛
享保7年 さんせう太夫
文楽
1755年(宝歴5年)5月16日、近松半二『由良湊千軒長者(ゆらのみなとせんげんちょうじゃ)』が竹本座で初演。
山椒太夫恋慕湊 山椒太夫葭原雀 三荘太夫五人娘
歌舞伎
1784年頃、大坂・藤川座で『由良湊千軒長者』
- “三荘太夫”の娘・おさんは、親の非道の因果で明け方になると鶏鳴きをする「鶏娘」として登場。
1852年(嘉永5年)4月28日、『昔談柄三升太夫』
- 三庄太夫の娘、「おさん」が作られている。三庄太夫の悪事の報いとして、鶏のような声を出して鳴く『鶏娘』となってしまう。おさんの恋人が「元吉要之助」。絵は歌川国貞の作で、左から「元吉要之助」「おさん」「三庄太夫」。
1862年(文久2年)2月、『当世見立三十六花選 鶏頭花』
天保8年 市村座 『三荘太夫鉄鶏歳』
1896年(明治29年)、市村座にて『増補本三荘太夫』。沢村源之助がおさん。
小説
- 森鴎外『山椒大夫』(1915)
映画
トピック
- 森鴎外による小説化(『山椒大夫』)や、その溝口健二による映画化が有名。
- 京都の舞鶴周辺にゆかりの史跡が点在する。
- 「山椒」「三庄」とは「散所(さんじょ)」=「領主に全面的に隷属し、労務を提供する人々の居住地、およびその住民」を意味する。「太夫」はその場所の長者。
- ~知られざる存在『三庄太夫の鶏娘おさん』~
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