「カストリ雑誌」の版間の差分
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*『'''眞相實話'''』(真相実話社, 1949)(編集人:斎藤浄子) | *『'''眞相實話'''』(真相実話社, 1949)(編集人:斎藤浄子) | ||
*『'''讀物新集'''』7月1日(南潮社, 1949) | *『'''讀物新集'''』7月1日(南潮社, 1949) | ||
*『'''好奇実話'''』([[緑文社]], 1949.9.1) | |||
*『'''肉体'''』12月1日(櫻文社, 1949) | *『'''肉体'''』12月1日(櫻文社, 1949) | ||
*『'''情艶'''』、不明、不明 | *『'''情艶'''』、不明、不明 |
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「カストリ雑誌」の定義
厳密に定義されているわけではなく、人によってその範囲もまちまち。戦後すぐの時期に、粗悪な紙[注 1]を用いて作られていたエロ雑誌が最大公約数的な定義[1]。
「カストリ」の語源
戦後まもなく非合法に製造されていたアルコール度の高い焼酎を「カストリ焼酎」と呼んでいた。日本酒を醸造する過程でできる酒の糟を原料として蒸留して作った「糟取焼酎」というものも存在していたが、この「糟取焼酎」と「カストリ焼酎」は別物。「カストリ焼酎」の場合は、米や芋を原料として、麹を加えた即製品。悪酒のために「三合」飲むと酔いつぶれるといわれたことと、「三号」で潰れてしまうことの語呂合わせで「カストリ雑誌」と命名されたと言われている。正当な雑誌を扱う出版社を「内神田」、カストリ雑誌などを扱う雑誌社を「外神田」と呼んでいた[2]。
主なカストリ雑誌
1946年(昭和21年)創刊
『りべらる』をカストリ雑誌の第一号とする人もいあるが、少なくとも初期はむしろ文芸雑誌[1]。
- 『りべらる』1月(実際の発行は1945年(昭和20年)12月
- 『實話犯罪讀物』1945年(昭和20年)?
- 『スタイル』(スタイル社)
- 『トップライト』(世界社, 1946)
- 『すとりいと・街』(北陸ぺん, くらぶ, 1946)
- 『赤と黒』9月5日
- 『猟奇』10月15日
- 『週刊特ダネ』10月?、京都 三都文化同人社
- 『美貌』(11月?, 近代女性社)
- 『漫画』(11月以前)
- 『デカメロン(戦後雑誌)』12月20日
- 『ロマンス』(ロマンス社, 1946)
- 『サロン』(銀座出版社, 1946)
- 『新世界』(新世界新聞社, 1946)
- 『クラブ』(世界社, 1946)
- 『マダム』(1946)
- 『ホープ』1946、實業之日本社 1950には高峰秀子の表紙
- 『シネ・ロマンス』不明、シネ・ロマンス社
1947年(昭和22年)創刊
1947年春以降に裸の女性の表紙が増え出す[1]。
- 『奇譚』奇談社
- 『性愛春秋』2月25日、娯楽春秋社、
- 『性文化』2月26日、畝傍書房
- 『くぃーん』3月1日、くぃーん社
- 『犯罪讀物』3月30日、犯罪科学社、編集人:指方龍二、発行人:畠山晴行
- 『伝記』4月1日、青柿堂、編集人:小暮杢太郎、発行人:吉田正志
- 『黒猫』4月1日、イヴニング・スター社、編集人:伊藤逸平、発行人:伊藤逸平
- 『ヴイナス』 (耽美社(ヴイナス社), 1947.5.1.)
- 『猟奇』5月1日、猟奇館、編集人:花町一郎、発行人:加藤兼章
- 『コメット 實話と讀物』大阪新聞社、4月以前、
- 『すうゐんぐ』(瑞穂書房, 1947)
- 『犯罪実話』7月1日、畝傍書房、編集・発行人:金光好雄
- 『共楽』7月1日、蓬書房
- 『妖奇』7月1日、オール・ロマンス社
- 『オール獵奇』9月、爛美社
- 『MEN』9月1日、スタア社、編集人:荒木誠太郎、発行人:荒木誠太郎
- 『艶笑怪奇号』9月20日、新浪漫社、編集人:宇佐美稔、発行人:宇佐美稔
- 『奇譚クラブ』11月
- 『オーケー』三友社、12月5日、オーケー社、編集人:島田順二、発行人:田中裕彦
- 『クローズアップ』、京都 サロン・タイムス社
- 『サロン・タイムス』、京都 サロン・タイムス社
- 『娯楽春秋』、京都 娯楽春秋社
- 『ナンバーワン』不明、ナンバーワン社
- 『変態集團』不明、大雅社
- 『東京』不明、新生社
- 『讀物クラブ』不明、新世紀社
- 『犯罪百面相』小原自然科学研究所→出版研究社
- 『狂艶』岡山 興文社
- 『特ダネ雑誌』(スクープ社)
1948年(昭和23年)創刊
- 『実話ロマンス』木谷書房
- 『ロマンス讀物』(ロマンス讀物局)
- 『ネオリベラル』東亜出版社
- 『妖艶』モダン読物社
- 『情話世界』
- 『娯楽世界』1月1日、銀五書房、編集人:安島公治、発行人:安島公治
- 『スバル』1月
- 『ラッキー』1月?、國民社
- 『猟奇ゼミナール』1月1日、双立社、編集人:伏屋甚吉、発行人:伏屋甚吉
- 『リーベ』2月、石神書店
- 『だんらん』2月、興文社
- 『月刊実話』3月1日、実話新聞社、編集人:坂上秋良、発行人:坂上秋良
- 『新世相』3月1日、
- 『裏の裏』3月10日、佐田書房、編集人:道正良二、発行人:佐藤忠
- 『号外』3月25日、新史書房、編集人:杉本洋、発行人:杉本洋
- 『艶麗』4月1日、双立社、編集人:豊田穣、発行人:豊田穣
- 『猟奇実話』4月1日、世相社、編集人:中川澄、発行人:中川澄
- 『娯楽読物』4月25日、大和書房、編集人:佐野紗智緒、発行人:足代幸一郎
- 『ユニーク』4月
- 『性苑』4月
- 『千一夜』5月、東京出版社。編集:谷清。
- 『カーニバル』5月1日、石狩書房、編集人:会田博哉、発行人:高橋福雄
- 『オールナイト』(耽美社, 1948.6)
- 『うら・おもて』6月20日、銀柳書房、編集人:中野淳、発行人:中野淳
- 『政界ジープ』7月5日、ジープ社、編集人:二木秀雄、発行人:二木秀雄
- 『アベック』7月
- 『近代ロマン』12月1日、近代ロマン社
- 『獵奇讀物』 (耽美社, 1948.4.30)
- 『猟奇読物 エロス』朝日出版社
- 『ハート』不明、ハート社
- 『ハッピイ』不明、異人館
- 『人魚』不明、漫書書院
- 『防犯雑誌 蜘蛛』不明、東京防犯協会連合会
- 『オール軟派』不明、オール軟派社
- 『オール小説』 江戸書院
- 『人人』不明、光落書房
- 『シルエット』不明、
- 『青春タイムス』フランス書房、
- 『人肉市場』、實話社
- 『猖奇』、不明、オール・キング社
- 『すぅゐんぐ』、不明
- 『地獄』、
- 『幸福の友』、新風社
- 『キャバレー』、足立書房
1949年(昭和24年)創刊
「夫婦もの」全盛期の時代に入り、カストリ雑誌ブームは終わる。B5からA5の小型本化が進む。小型本をカストリ雑誌と区分しない場合も多い[1]。
- 『犯罪公論』(文化公論社, 1949.2)
- 『別冊獵奇』、1949、人間館
- 『ブラック』(文藝新社, 1949.4)(編集人:西江紀與志、発行人:大石鍵司)
- 『桃源境』5月
- 『特ダネストーリー』(旅行文化社, 1949.5.1)(編集人:平石義綱、発行人:谷口三郎)
- 『抱擁(完全なる夫婦)』(ホーヨー社, 1947)(編集人:村井清一)
- 『夫婦生活』6月
- 『情艶新集』(微笑社, 1949.6?)
- 『眞相實話』(真相実話社, 1949)(編集人:斎藤浄子)
- 『讀物新集』7月1日(南潮社, 1949)
- 『好奇実話』(緑文社, 1949.9.1)
- 『肉体』12月1日(櫻文社, 1949)
- 『情艶』、不明、不明
- 『情炎』、不明、不明
- 『夜話』、不明、石神書店
- 夜話別冊『夫婦の性生活』、1949.8.5、石神書店
- 『怪奇雑誌』、不明、創文社
- 『青春サロン』、不明、不明
- 『奇抜雑誌』、不明、不明
- 『讀切讀物』、不明、不明
- 『セップン』、不明、不明
- 『都会ロマン』、不明、不明
- 『好色夜話』、不明、協同出版社
- 『綺談世界』、不明、千歳書房
1950年(昭和25年)以降創刊
カストリ雑誌は既に終わっているとする人も多い。以下の雑誌もカストリ雑誌に区分されない場合が多い[1]。
トピック
- 1949年〜1953,4年に露天商で売られていたのは「ゾッキ本」であり、カストリ雑誌を解体・再構成して販売していたもの。
引用文献
注釈
- ↑ 仙花紙や馬糞紙。統制外であった。