雪責め

伊藤晴雨が大正時代に妻の佐原キセをモデルに撮影した雪責めシーン。伊藤晴雨『責の話』(粹古堂, 1952)より

ゆきぜめ。江戸時代から文楽・歌舞伎に好んで用いられる責めのモチーフの1つ。大正時代には伊藤晴雨が佐原キセをモデルに雪責めの写真を撮影。志摩紫光のビデオ作品にも多い。

概要

雪の中で責めをおこなうこと。伝統芸能の中の責めの1つで、古くから文楽や歌舞伎で用いられるモチーフの1つ。伊藤晴雨が好む責めの1つで、1919年(大正8年)には佐原キセをモデルとした雪責めの写真を撮影している。

主な出来事

1888年(明治21年)、伊藤晴雨は7才(数え)で母親から中将姫の雪責めの物語を聞かされる。

1919年(大正8年)12月、伊藤晴雨は佐原キセをモデルに自宅の庭で雪責めの写真。カメラマンは有賀。

1920年(大正8年)1月7日、佐原キセをモデルに夜明けに全裸で撮影。

1923年(大正12年)2月10日、伊藤晴雨は佐原キセをモデルにカメラマン鈴木雷水と下高井戸の「吉田園」という温泉旅館の庭でまず長襦袢姿で撮影。次に、坂本牙城の借りていた農家付近で全裸の雪責めの撮影。

1953年(昭和28年)6月4日、伊藤晴雨は「責めの劇団」の第1回公演を市川鈴本でおこなう。

2012年(平成24年)、杉浦則夫が長野で雪責めの写真撮影。

芝居の中の雪責め

1860年(万延元年)三代目歌川豊國作による明烏雪浦里。雪責めに合う三代目岩井粂三郎演じる浦里と坂東三津五郎演ずる「禿(かむろ)みどり」(遊女見習)

• 中将姫の雪責め
• 明烏夢泡雪
• お過ぎお玉の由来
• 梅柳櫻幸染
• 雪月花傳雪物語
• 七化地蔵

ビデオ

『ザ・美囚』(志摩ビデオ, 1988)

志摩紫光に雪責め作品が多い。