伊藤竹酔

いとう　ちくすい　、1884年(明治17年) - 1965年(昭和40年)

概要

伊藤晴雨の著作、画集、写真集などを発刊。粹古堂や竹醉書房を経営。

別名

伊藤敬次郎、粹古堂主人

略歴

1884年(明治17年)、神奈川県宮の河岸に生まれる。

神田加治屋町の朝香屋書店の店員となる。

書肆敬文館を設立し薬学書などを出版。やがて朝香屋書店に戻る。

1913年(大正2年)、泉鏡花『遊行車』を出版。

1923年(大正12年)、関東大震災で朝香屋書店は消失・倒産。国際文献刊行会を本郷丸山福山町に設立。粹古堂の名で古本屋も始める。。

1931年(昭和6年)夏、伊藤晴雨と出会う。

戦後は王子飛鳥山下で出版業を続ける。

1961年(昭和36年)、須磨利之と濡木痴夢男が東京王子飛鳥山下の伊藤竹酔宅を訪れ、緊縛写真ネガ約1200枚を購入。このいくつかは、金井行雄の名で裏窓に発表。

1965年(昭和40年)、永眠。

エピソード

• 伊藤晴雨との出会いは「神田明神の近くに田村秋子の父が小料理屋をやっており、そこでの会で初めて会う。」。
• 1952年(昭和27年)9月20日付で喜多玲子に宛てた手紙には「酔古堂伊藤竹酔とは少々訳があって絶縁いたしました」とある。
• 1961年(昭和36年)、須磨利之と濡木痴夢男が東京王子飛鳥山下の伊藤竹酔宅を訪れ、緊縛写真ネガ約1200枚を購入。このいくつかは、金井行雄の名で裏窓に発表。
• 「この二人(伊藤晴雨と伊藤竹酔)ほどに対称的な正確は珍しく、・・・痩せ型小男でだんまりむっつり屋で、陰気な性格の竹酔・・・事実、二人は仲が悪かった」。

代表作

• 伊藤竹酔編『新撰十八大通』(敬文館, 1909)
• 『変態十二史』(文芸資料研究会, 1928)
• 伊藤竹酔『明治大正昭和文芸筆禍索引』(粹古堂, 1935)
• 伊藤竹酔『明治以降稀覯本索引』(粹古堂書店, 1940)
• 伊藤敬次郎編『小説に現れた責の代表名作選』(粹古堂, 1953)
• 伊藤竹酔『文学書及限定本相場帖』(書痴往来社, 1955)
• 伊藤竹酔『竹酔自叙伝』(日本愛書会, 1961)
• 伊藤竹酔『花街文献資料目録 』(私家版, 1963)