風俗草紙
『風俗草紙』(ふうぞくそうし)は、戦後二番目に発行されたSM関連風俗誌である。
概要
1953年(昭和28年)に、氏家富良により作られた雑誌。活発な宣伝で部数を上げたが、当局の目につき摘発が相次ぎ休刊に追い込まれる。奇譚クラブを離れた須磨利之、八木静男、中川彩子、秋吉巒などの一流の絵師を揃えると共に、伊藤晴雨、高橋鐵、松井籟子などの豪華執筆陣を集めた。
発行年・出版社
1953年(昭和28年)7月号〜1954年(昭和29年)10月号まで臨時増刊号を入れて17冊(改題前の『オール実話』が3冊、風俗草紙に改題後は14冊)。日本特集出版社
発行人・編集人
編集人:氏家富良、村田清
発行人:野村佳秀
主な出来事
1953年(昭和28年)7月、『特集雑誌 オール実話』増刊号として発刊。喜多玲子の絵、上田青柿郎の文など。
1953年(昭和28年)9月、 p29 『女体の縛り方一五種』では伊藤晴雨が縛り方を図入りで解説。美濃村の縛りも口絵で紹介。上田青柿郎も出ている。
1953年(昭和28年)12月、臨時増刊号として『秘蔵版 風俗草紙』
1954年(昭和29年)、2月号が摘発(続いて奇譚クラブも)。4月号も発禁となり、やがて廃刊[1]。
1954年(昭和29年)7月、臨時増刊。元々は現代読本の創刊号として6月発刊予定だった本に風俗草紙 臨時増刊 7と書かれたカバーを付けて販売された。喜多玲子作品も7ページ程掲載されている。この本のP193,P259及び奥付には風俗草紙7月号の近日発売予告が掲載されているが実際は5月号~7月号までは休刊し、8月号で復刊となっている。
1954年(昭和29年)10月、紙面から喜多玲子が消え、この号を最後に休刊。
1970年(昭和45年)、日本文芸社名で書籍『アブノーマルSM小説集 風俗草紙』シリーズを刊行開始。
主な寄稿者
絵師
喜多玲子 中川彩子 秋吉巒 八木静男 古正英生 北原環 新田英児 浜田稔 小田明男 陳野重晴 益田修二 大橋弥生 野崎耕作 正木丘陵 水沢深雪 山中育児 滝川共 牧祐一郎
文筆家
伊藤晴雨 高月大三 高橋鐵 上田青柿郎 松井籟子 坂ノ上言夫 香山滋
エピソード
- 仕掛け人としては夜久勉[2]。
- 創刊号は定価100円。
- 通巻17号で終刊。
- 『秘蔵版』『臨時増刊「現代讀本」』が出ている。
- 表紙を秋吉巒が描いた。
- 奇譚クラブを離れた喜多玲子が、奇譚クラブで既に使っていた喜多玲子、美濃村晃などのペンネームで執筆。
- やがて八木静男(=奇譚クラブでは都築峯子)も登場。須磨が誘ったか?
- 中川彩子がはじめて登場。
- 須磨は編集スタッフには入っていなかった模様[1]。
- 『通信 風俗草紙』といったKK通信のような会報もだしていた模様。