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『'''風俗草紙'''』（ふうぞくそうし）は、戦後二番目に発行されたSM関連風俗誌である。
[[画像:Fuzokusoushi.jpg|250px|thumbnail|風俗草紙 1954年(昭和29年)1月号]]
 
'''ふうぞくそうし'''。『'''オール実話'''』増刊号として1953年(昭和28年)7月に創刊。[[伊藤晴雨]]、[[高橋鐵]]、[[須磨利之]]、[[中川彩子]]、[[秋吉巒]]らの豪華執筆陣を集めるが当局の目につき翌年休刊。
== 概要 ==
== 概要 ==
1953年(昭和28年)に、恐らく[[奇譚クラブ]]を意識して作られた雑誌。活発な宣伝で部数を上げたが、当局の目につき摘発が相次ぎ休刊に追い込まれる。[[奇譚クラブ]]を離れた[[須磨利之]]、[[八木静男]]、[[中川彩子]]、[[秋吉巒]]などの一流の絵師を揃えると共に、[[伊藤晴雨]]、[[高橋鐵]]などの執筆陣を集めたが、マニアからの強い支持は得られなかった。
1953年(昭和28年)に、[[氏家富良]]により作られた雑誌。活発な宣伝で部数を上げたが、当局の目につき摘発が相次ぎ休刊に追い込まれる。[[奇譚クラブ]]を離れた[[須磨利之]]、[[八木静男]]、[[中川彩子]]、[[秋吉巒]]などの一流の絵師を揃えると共に、[[伊藤晴雨]]、[[高橋鐵]]、[[松井籟子]]などの豪華執筆陣を集めた。仕掛人は[[夜久勉]]。


== 発行年・出版社==
== 発行年・出版社==


1953年(昭和28年)〜1954年(昭和29年)、[[日本特集出版社]]　
1953年(昭和28年)7月号〜1954年(昭和29年)10月号まで臨時増刊号を入れて17冊（改題前の『[[オール実話]]』が3冊、風俗草紙に改題後は14冊）。[[日本特集出版社]]　


== 発行人・編集人==
== 発行人・編集人==
編集人：[[氏家富良]]、村田清


[[氏家富良]]
発行人：野村佳秀


== 主な出来事==
== 主な出来事==
1953年(昭和28年)7月、『特集雑誌 オール実話』増刊号として発刊。[[須磨利之|喜多玲子]]の絵、[[上田青柿郎]]の文など。
1953年(昭和28年)9月、 [http://nawa-art.com/etc/fs/FS195309/FS195309_023.html p29]
『女体の縛り方一五種』では[[伊藤晴雨]]が縛り方を図入りで解説。[[須磨利之|美濃村]]の縛りも[http://nawa-art.com/etc/fs/FS195309/FS195309_004.html 口絵]で紹介。[[上田青柿郎]]も出ている。
1953年(昭和28年)12月15日、臨時増刊号として『秘蔵版 風俗草紙』


1953年(昭和28年)9月、『女体の縛り方一五種』では[[伊藤晴雨]]が縛り方を図入りで解説。[[須磨利之|美濃村]]の縛りも紹介。[[上田青柿郎]]も出ている。
1954年(昭和29年)、[[風俗草紙]]1月号に[[伊藤晴雨]]『'''吊り責めさまざま'''』(昭和28年11月10日稿)。


1954年(昭和29年)、2月号が摘発（続いて[[奇譚クラブ]]も）。4月号も発禁となり、やがて廃刊<ref name="eshi">[http://www.amazon.co.jp/gp/product/4309474594?ie=UTF8&tag=iq05-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4309474594 濡木痴夢男『「奇譚クラブ」の絵師たち』(河出書房新社, 2004)]</ref>。
1954年(昭和29年)、2月号が摘発（続いて[[奇譚クラブ]]も）。4月号も発禁となり、やがて廃刊<ref name="eshi">[http://www.amazon.co.jp/gp/product/4309474594?ie=UTF8&tag=iq05-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4309474594 濡木痴夢男『「奇譚クラブ」の絵師たち』(河出書房新社, 2004)]</ref>。
1954年(昭和29年)7月、臨時増刊。元々は現代読本の創刊号として６月発刊予定だった本に風俗草紙 臨時増刊 ７と書かれたカバーを付けて販売された。喜多玲子作品も７ページ程掲載されている。この本のP193,P259及び奥付には風俗草紙７月号の近日発売予告が掲載されているが実際は５月号～７月号までは休刊し、８月号で復刊となっている。
1954年(昭和29年)10月、紙面から喜多玲子が消え、この号を最後に休刊。
1970年(昭和45年)、[[日本文芸社]]名で書籍『'''[[アブノーマルSM小説集 風俗草紙]]'''』シリーズを刊行開始。
==主な寄稿者==
===絵師===
[[喜多玲子]]
[[中川彩子]]
[[秋吉巒]]
[[八木静男]]
[[古正英生]]
[[北原環]]
[[新田英児]]
[[浜田稔]]
[[小田明男]]
[[陳野重晴]]
[[益田修二]]
[[大橋弥生]]
[[野崎耕作]]
[[正木丘陵]]
[[水沢深雪]]
[[山中育児]]
[[滝川共]]
[[牧祐一郎]]
===文筆家===
[[伊藤晴雨]]
[[須磨利之|高月大三]]
[[高橋鐵]]
[[上田青柿郎]]
[[松井籟子]]
[[坂ノ上言夫]]
[[香山滋]]


== エピソード==
== エピソード==
*表紙を[[秋吉巒]]や[[中川彩子]]が描いた。
*仕掛け人としては[[夜久勉]]<ref name="nakata">[http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20091119/1258559991 古本夜話１０ 『マンハント』編集長 中田雅久]　</ref>。
*奇譚クラブを離れた[[須磨利之|喜多玲子]]が描く。[[須磨利之|美濃村晃]]というペンネームも絵でこのこから用いられている<ref group="注">[[奇譚クラブ]]でも「MINOMURA」や「晃」の絵のサインが津使われていた。</ref>。
*創刊号は定価100円。
*通巻17号で終刊。
*『秘蔵版』『臨時増刊「現代讀本」』が出ている。
*表紙を[[秋吉巒]]が描いた。
*[[奇譚クラブ]]を離れた[[須磨利之|喜多玲子]]が、奇譚クラブで既に使っていた[[須磨利之|喜多玲子]]、[[須磨利之|美濃村晃]]などのペンネームで執筆。
*やがて[[八木静男]]（＝[[奇譚クラブ]]では[[都築峯子]]）も登場。[[須磨利之|須磨]]が誘ったか？
*やがて[[八木静男]]（＝[[奇譚クラブ]]では[[都築峯子]]）も登場。[[須磨利之|須磨]]が誘ったか？
*[[中川彩子]]がはじめて登場。
*[[中川彩子]]がはじめて登場。
*[[須磨利之|須磨]]は編集スタッフには入っていなかった模様<ref name="eshi"></ref>。
*[[須磨利之|須磨]]は編集スタッフには入っていなかった模様<ref name="eshi"></ref>。
 
*『'''[http://nawa-art.com/etc/fs/FS195308/02/110.html 通信 風俗草紙]'''』といった[[KK通信]]のような会報もだしていた模様。
==ギャラリー==
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画像:Fuzokusoushi.png|[[風俗草紙]] 1953年(昭和28年)創刊号(特集雑誌オール実話の増刊号として)
画像:Fuzokusoushi.jpg|[[風俗草紙]] 1954年(昭和29年)1月号
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== 引用文献==
== 引用文献==
<references/>
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==お役たちweb==
*[http://plaza.rakuten.co.jp/junko23/diary/201011230001/ 三橋順子 続・たそがれ日記]
==注釈==
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風俗草紙 1954年(昭和29年)1月号

ふうぞくそうし。『オール実話』増刊号として1953年(昭和28年)7月に創刊。伊藤晴雨、高橋鐵、須磨利之、中川彩子、秋吉巒らの豪華執筆陣を集めるが当局の目につき翌年休刊。

概要

1953年(昭和28年)に、氏家富良により作られた雑誌。活発な宣伝で部数を上げたが、当局の目につき摘発が相次ぎ休刊に追い込まれる。奇譚クラブを離れた須磨利之、八木静男、中川彩子、秋吉巒などの一流の絵師を揃えると共に、伊藤晴雨、高橋鐵、松井籟子などの豪華執筆陣を集めた。仕掛人は夜久勉。

発行年・出版社

1953年(昭和28年)7月号〜1954年(昭和29年)10月号まで臨時増刊号を入れて17冊（改題前の『オール実話』が3冊、風俗草紙に改題後は14冊）。日本特集出版社　

発行人・編集人

編集人：氏家富良、村田清

発行人：野村佳秀

主な出来事

1953年(昭和28年)7月、『特集雑誌 オール実話』増刊号として発刊。喜多玲子の絵、上田青柿郎の文など。

1953年(昭和28年)9月、 p29 『女体の縛り方一五種』では伊藤晴雨が縛り方を図入りで解説。美濃村の縛りも口絵で紹介。上田青柿郎も出ている。

1953年(昭和28年)12月15日、臨時増刊号として『秘蔵版 風俗草紙』

1954年(昭和29年)、風俗草紙1月号に伊藤晴雨『吊り責めさまざま』(昭和28年11月10日稿)。

1954年(昭和29年)、2月号が摘発（続いて奇譚クラブも）。4月号も発禁となり、やがて廃刊[1]。

1954年(昭和29年)7月、臨時増刊。元々は現代読本の創刊号として６月発刊予定だった本に風俗草紙 臨時増刊 ７と書かれたカバーを付けて販売された。喜多玲子作品も７ページ程掲載されている。この本のP193,P259及び奥付には風俗草紙７月号の近日発売予告が掲載されているが実際は５月号～７月号までは休刊し、８月号で復刊となっている。

1954年(昭和29年)10月、紙面から喜多玲子が消え、この号を最後に休刊。

1970年(昭和45年)、日本文芸社名で書籍『アブノーマルSM小説集 風俗草紙』シリーズを刊行開始。

主な寄稿者

絵師

喜多玲子 中川彩子 秋吉巒 八木静男 古正英生 北原環 新田英児 浜田稔 小田明男 陳野重晴 益田修二 大橋弥生 野崎耕作 正木丘陵 水沢深雪 山中育児 滝川共 牧祐一郎

文筆家

伊藤晴雨 高月大三 高橋鐵 上田青柿郎 松井籟子 坂ノ上言夫 香山滋

エピソード

ギャラリー

  • 風俗草紙 1953年(昭和28年)創刊号(特集雑誌オール実話の増刊号として)

    風俗草紙 1953年(昭和28年)創刊号(特集雑誌オール実話の増刊号として)

  • 風俗草紙 1954年(昭和29年)1月号

    風俗草紙 1954年(昭和29年)1月号

引用文献

  1. ↑ 1.0 1.1 濡木痴夢男『「奇譚クラブ」の絵師たち』(河出書房新社, 2004)
  2. ↑ 古本夜話１０ 『マンハント』編集長 中田雅久　

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注釈

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