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2012年8月23日 (木) 21:49時点における版
たまい けいゆう、1944年(昭和19年)3月1日-
概要
劇作家、演出家、俳優。「シアタースキャンダル」の主宰者。1970年代後半にSM的なアングラ劇で注目を集める。「シアタースキャンダル」では、長田英吉や桜田伝次郎も複雑に関わっており、70年代のSMショーの歴史において重要な位置を占める存在である。また、名和徹が初期マネージャーとして「シアタースキャンダル」に在籍した。1978年(昭和53年)には『奇伝・伊藤晴雨』を上演するなど、SM界と繋がりの深い演劇人である。
別名
Keiyu Tamai、アングラの帝王、SMの帝王
略歴
1944年(昭和19年)3月1日、尼崎市に生まれる。
1966年(昭和41年)、立命館大学文学部史学科卒業後、高校教師、生命保険のセールスマン、レストランポーイ、ディスコマネージヤー、ショーの構成屋、ルポライター等を経験。
1972年(昭和47年)2月、劇団スキャンダルを旗揚げ。
1973年(昭和48年)4月、大阪でシアター喫茶「スキャンダル」オ一プン。
1975年(昭和50年)8月、舞踏『曼陀羅』
1976年(昭和51年)春、六本木に劇団「シアタースキャンダル」設立[注 1]。半自伝的性告白劇『密戯』[注 2]が注目を集める。長田英吉のオサダ・ゼミナールをここで定期的に開催。この頃、桜田伝次郎が手伝っている。
1976年(昭和51年)7月、青山VAN99ホールで「ヒトラーからこまわり君まで」を上演[注 3][注 4]。
1976年(昭和51年)9月、実験劇『背徳の縄』[注 5]
1976年(昭和51年)10月、実験劇『青い烏何処へ行った』
1976年(昭和51年)11月、自由劇場にて実験劇『角栄笑伝』
1977年(昭和52年)3月、SMシリーズ実験劇『孫呉虐殺ー或る女ゲリラの死』
1977年(昭和52年)6月、『日本ストリップ変遷史』
1977年(昭和52年)8月、『SM大祭典“姦”』
1977年(昭和52年)11月、SMシリーズ実験劇『美少女破壊工房』
1978年(昭和53年)4月、自由劇場にて実験劇『奇伝・伊藤晴雨』
1978年(昭和53年)4月、自由劇場にてシアタースキャンダル東京進出2周年記念公演『ザ・スキャンダル・エロチカー玉井敬友の世界』[注 6]
1978年(昭和53年)7月24日〜30日、自由劇場にてシアタースキャンダル東京進出2周年記念公演『THE SCANDAL EROTICA』
1978年(昭和53年)10月、SMシリーズ実験劇『密戯』
1978年(昭和53年)11月、横浜にあったストリップ劇場「春風座」でシアタースキャンダルのSMショウ。
1979年(昭和54年)7月、新橋ヤクルトホールで『ソドミー』
1979年(昭和54年)12月、『お七狂乱』で高杉かほりがデビュー。
1980年(昭和55年)7月14日〜17日、東横劇場で『ハイル・ヒットラー』出演:玉井敬友、百花繚乱、金城エイ子、西場広?、高杉かほり
1980年(昭和55年)7月24日〜27日、大阪・SABホールで『ハイル・ヒットラー』出演:玉井敬友、百花繚乱、金城エイ子、西場広?、高杉かほり
1980年(昭和55年)9月24日〜30日、自由劇場で『曽根崎心中』出演:玉井敬友、百花繚乱、金城エイ子、高杉かほり、港まゆみ、西場広?
1981年(昭和56年)4月1日〜10日、自由劇場にて、『少女・阿部定』。出演:高杉かほり、玉井敬友、武田千明、百花繚乱、金城栄子、谷川正美、土田一代志、津田俊和、大塚聖一、東川佳揚
1981年(昭和56年)4月、草月ホールにて、『ザ・スキヤンダル・醜聞』。
1981年(昭和56年)7月2日〜5日、草月ホールにて、シアタースキャンダル東京進出5周年記念公演『ザ・スキャンダル』。
1982年(昭和57年)4月1日〜10日、自由劇場にて、『少女・阿部定』。出演:高杉かほり、玉井敬友、金城栄子、梅谷智枝、鈴木桂介
1982年(昭和57年)7月、日劇ミュージックホールでの『マリン・ブルーのときめき』の「風雪無惨」を演出。出演:丘なおみ[1]
1982年(昭和57年)7月16日〜18日、東横劇場でシアタースキャンダル6周年記念公演『ジプシーロ一ズ』出演:高杉かほり
1982年(昭和57年)8月11日〜20日、スカイ劇場にて『SMの帝王 玉井敬友引退特別興行』
1983年(昭和58年)、六本木で『ポルノライブ一週間興行 緊縛デスマッチ』玉井敬友と伊藤清美[2][注 7]
1984年(昭和59年)4月23-29日、六本木シアタースキャンダルで石川亜美との対談とSMショー[3]。
1985年(昭和60年)3月22日〜3月31日、シアタースキャンダル『乱雪無惨』。出演:伊藤清美。
1985年(昭和60年)、60日間全裸舞踏公演『密戯』。出演:末永直海。
1985年(昭和60年)、ストリップ劇場で『吟遊詩人アルチュール・ランボーを踊る』。出演:末永直海。
1987年(昭和62年)、シアタースキャンダル解散。
1991年(平成3年)10月、大阪難波のNGKシアターで『曽根崎心中』
1992年(平成4年)10月、大阪上本町の近鉄小劇場で『お七恋歌』
1995年(平成7年)1月17日、阪神・淡路大震災で自宅が倒壊し、一時東京に避難。
1995年(平成7年)3月、下北沢OFF‐OFFシアターで『女ふたり』
1996年(平成8年)9月23日、テレビ東京のTVドラマ『刑事追う!』の最終回に出演。監督:市川崑。主演は役所広司、布施博。
1997年(平成9年)2月、下北沢本多劇場で玉井敬友事務所『曽根崎心中』出演;大谷亮介、風間舞子、西岡慶子
1997年(平成9年)8月21日〜31日、『玉井敬友SM特別公演』浅草ロック座ススキノ マドンナ。
1997年(平成9年)9月21日〜30日、『玉井敬友SM特別公演』川崎ロック
1998年(平成10年)4月、『奇伝・伊藤晴雨』の再演。下北沢「劇」小劇場。(製作:玉井敬友 森島朋美、出演:玉井敬友 小川美那子 森島朋美 岩瀬ヒロコ 灰原明彦 棟方巴里爾 明石晃 丸野恵 大野一夫 野呂英里香 永井大介 関戸理恵 高宗謙三 沢口ともみ)
1998年(平成10年)8月、新宿TSミュージックで『玉井敬友ショー』。出演:紅ユキ。
1999年(平成11年)4月、『少女・阿部定』の再演。下北沢「劇」小劇場。玉井敬友事務所。((製作:玉井敬友 上田真弓 渡井かおる、演出助手:本間美奈子、舞台監督:伊藤進、ポスター:荒木経惟、出演:前川麻子 玉井敬友 高橋広吉 はさば幸代 上田真弓 渡井かおる 足立ゆみか 中川あゆこ 河村祐子 佐野香恵 藤井モウ 下山リョウ)
1999年(平成11年)8月、京都・薔薇十字館で『密戯』の再演[注 8]。
2000年(平成12年)9月、玉井敬友帰阪記念公演 『密戯』
2003年(平成15年)、この頃、死亡説が流れる。
2003年(平成15年)、大阪で「猪名川寄席」を定期開催。大坂・カラビンカ。
2006年(平成18年)、東園田町2丁目北地区まちづくり協議会設立。
2007年(平成19年)、玉井敬友事務所・古澤侑峯事務所主催『心中天網島』、尼崎ピッコロシアター大ホール。
2009年(平成21年)、『脱線』、尼崎ピッコロシアター大ホール。
2010年(平成22年)、創作舞踊劇『心中天網島』、尼崎ピッコロシアター大ホール。
エピソード
- 名和徹が初期マネージャーをやっていた[4]。
- 高杉かほり、末永直海、伊藤清美、百花繚乱、金城エイコ、織田倭歌、小川美那子、岩瀬ヒロコ、森島朋美などが女優として舞台に出た。
- 山科薫、ジミー土田、高木完らが男優。
- 1978年(昭和53年)7月の『THE SCANDAL EROTICA』のチラシの裏には六本木スタジオでの『SM大激写撮影会』6月23日、24日、25日、7月14日、15日。定員三十名。会費五千円(見学のみ二千円)の広告。
- 六本木の自動車工場の2階の玉井敬友の事務所で長田英吉が会員の集まりを開いた後、玉井氏もSMの会合を持つようになる。ここで桜田伝次郎は始めて玉井敬友と出会う。
代表作
- 『ヒツトラーからこまわり君まで』
- 『奇伝・伊藤晴雨』
- 「実験劇 密戯」
- 「背徳の縄」
- 「美少女破壊工房」
- 「スキャンダルエロティカ」(2009)
- 『創作舞踊劇「心中天の網島」』(2010)
映画
ビデオ
雑誌
- 玉井敬友『シアター・スキャンダル 東京に殴り込み』話の特集 1976年8月号(通巻127号)
- 『思わず唸らせるセックス上手の女って何だ!』[注 9]話題スペシャル (日本文華社[注 10])1976年(昭和51年)5月20日号
- 『エロスとバイオレンスの狂人』ターゲット(辰巳出版)1977年(昭和52年)11月創刊号
- 玉井敬友『四年目のシアタースキャンダル』話の特集 1980年8月号(通巻175号)
引用文献
注釈
- ↑ 自動車修理工場の2階。港区六本木7-18-8岸田ビル301
- ↑ 半自伝的性告白劇。主人公が拉致してきた下着姿の少女に向かって怒りを爆発させる場面がSM的で注目。40人の開場に連日100人が入る盛況。
- ↑ 同年の『ニューセルフ』10月号にその様子が紹介。
- ↑ 舞台の様子が『Shocking Asia』(1976, 製作:First Film Organization、監督:Rolf Olsen)で紹介されている。
- ↑ SM実験劇『密戯』に続くシリーズもの。
- ↑ 作・演出:玉井敬友、照明:リュミエール兄弟社、音効:後藤治、舞台監督:今井英臣事務所
- ↑ 「ピンク界の戸川純こと伊藤清美」「一昨年ピンク映画界にデビュー」「昨年は40本出演」「3日目、4日目は行方不明」
- ↑ 12年ぶりの再演。
- ↑ 岡本麗との激突性論。「大阪狂気人 玉井敬友のズバリ対談」
- ↑ 東京都千代田区丸の内2-4-1。編集人:桜田義明。発行人:大島敬司