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1927年(昭和2年)に発行。巻一の初版と解釈する研究者もいるが、宮尾與男はシリーズ本とは別の別本として扱い、「別本の評判がよかったので、かなり大きなシリーズ本の構想を立てたのだろう。」と解釈している<ref name="miyao">[[伊藤晴雨]]・著、宮尾與男・編『'''[http://www.amazon.co.jp/gp/product/4336030677?ie=UTF8&tag=iq05-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4336030677 いろは引・江戸と東京 風俗野史 ]'''』(国書刊行会, 2001.6.30)</ref>。 | |||
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1929年(昭和4年)3月8日発行。定価二円。巻一より先に販売されている。 | |||
著者:[[伊藤晴雨]]、発行者:[[伊藤勝千代]]、印刷者:[[佐藤倫一郎]]、発売元:'''城北書院'''(東京市本郷区駒込動坂町23番地) | 著者:[[伊藤晴雨]]、発行者:[[伊藤勝千代]]、印刷者:[[佐藤倫一郎]]、発売元:'''城北書院'''(東京市本郷区駒込動坂町23番地) | ||
宮尾與男の考察では'''城北書院'''の住所は[[伊藤晴雨]]の自宅なので、私家版であり、発行者の[[伊藤勝千代]]は「晴雨と同棲した[[坂東勝代]]と、二番目の妻の妹千代子を合わせた号」とある<ref name="miyao"></ref>。 | |||
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1929年(昭和4年)9月8日発行。定価二円。 | |||
著者:[[伊藤晴雨]]、発行者:[[伊藤勝千代]]、印刷者:[[佐藤倫一郎]]、発売元:'''六合館'''(東京市日本橋区呉服橋二丁目) | |||
六合館は、雑誌「江戸時代文化」や『近世邦楽年表』『名人忌辰録』『洒落本大系』などを出版した出版社 | |||
===巻三=== | |||
1930年(昭和5年)5月8日発行。 | |||
著者及び発行者:[[伊藤晴雨]]、発行者:[[伊藤勝千代]]、印刷者:[[佐藤倫一郎]]、発売元:'''城北書院'''(東京市本郷区駒込動坂町23番地)、関西取次:だるまや書店(大阪市南区炭屋町二十五番地) | |||
===巻四=== | |||
1930年(昭和5年)9月15日発行。 | |||
著者及び発行者:[[伊藤晴雨]]、発行者:[[伊藤勝千代]]、印刷者:[[佐藤倫一郎]]、発売元:'''城北書院'''(東京市本郷区駒込動坂町23番地)、関西取次:だるまや書店(大阪市南区炭屋町二十五番地) | |||
===巻五=== | |||
1931年(昭和6年)11月15日発行。 | |||
著者及び発行者:[[伊藤晴雨]]、発行者:[[伊藤勝千代]]、印刷者:[[佐藤倫一郎]]、発売元:'''城北書院'''(東京市本郷区駒込動坂町23番地)、関西売捌所:柳原書店(大阪市東区北久太郎町四丁目) | |||
===巻六=== | |||
1932年(昭和7年)11月15日発行。 | |||
著者及び発行者:[[伊藤晴雨]]、発行者:[[伊藤勝千代]]、印刷者:山田孝慈(東京市荒川区日暮里町七丁目九五〇)、発売元:'''城北書院'''(東京市本郷区駒込動坂町23番地)、関西売捌所:柳原書店(大阪市東区北久太郎町四丁目) | |||
山田孝慈は『美人乱舞』の印刷者。 | |||
== 発行人・編集人== | == 発行人・編集人== | ||
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== エピソード== | == エピソード== | ||
*[[濡木痴夢男]]は『いろは引・[[江戸と東京 風俗野史]]』を愛読し、ここから題材を得て、浪曲台本『人情深川夫婦甘酒』を書いた<ref name="eshi">[http://www.amazon.co.jp/gp/product/4309474594?ie=UTF8&tag=iq05-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4309474594 濡木痴夢男『「奇譚クラブ」の絵師たち』(河出書房新社, 2004)]</ref>。 | *[[濡木痴夢男]]は『いろは引・[[江戸と東京 風俗野史]]』を愛読し、ここから題材を得て、浪曲台本『人情深川夫婦甘酒』を書いた<ref name="eshi">[http://www.amazon.co.jp/gp/product/4309474594?ie=UTF8&tag=iq05-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4309474594 濡木痴夢男『「奇譚クラブ」の絵師たち』(河出書房新社, 2004)]</ref>。 | ||
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2014年7月26日 (土) 13:55時点における最新版
えどととうきょう ふうぞくやし。伊藤晴雨が1927年(昭和2年)から5年かけて6巻で出版。明治時代に残る江戸の文化を詳細に紹介した図鑑で風俗史家としての晴雨の地位を確立。
概要
伊藤晴雨が1927年(昭和2年)から1932年(昭和7年)にかけて出版した全6巻の未完(予定では全12巻)の江戸時代、および明治時代の風俗図鑑。
別名
いろは引・江戸と東京 風俗野史
発行年・出版社
別本
1927年(昭和2年)に発行。巻一の初版と解釈する研究者もいるが、宮尾與男はシリーズ本とは別の別本として扱い、「別本の評判がよかったので、かなり大きなシリーズ本の構想を立てたのだろう。」と解釈している[1]。
巻二
1929年(昭和4年)3月8日発行。定価二円。巻一より先に販売されている。
著者:伊藤晴雨、発行者:伊藤勝千代、印刷者:佐藤倫一郎、発売元:城北書院(東京市本郷区駒込動坂町23番地)
宮尾與男の考察では城北書院の住所は伊藤晴雨の自宅なので、私家版であり、発行者の伊藤勝千代は「晴雨と同棲した坂東勝代と、二番目の妻の妹千代子を合わせた号」とある[1]。
巻一
1929年(昭和4年)9月8日発行。定価二円。
著者:伊藤晴雨、発行者:伊藤勝千代、印刷者:佐藤倫一郎、発売元:六合館(東京市日本橋区呉服橋二丁目)
六合館は、雑誌「江戸時代文化」や『近世邦楽年表』『名人忌辰録』『洒落本大系』などを出版した出版社
巻三
1930年(昭和5年)5月8日発行。
著者及び発行者:伊藤晴雨、発行者:伊藤勝千代、印刷者:佐藤倫一郎、発売元:城北書院(東京市本郷区駒込動坂町23番地)、関西取次:だるまや書店(大阪市南区炭屋町二十五番地)
巻四
1930年(昭和5年)9月15日発行。
著者及び発行者:伊藤晴雨、発行者:伊藤勝千代、印刷者:佐藤倫一郎、発売元:城北書院(東京市本郷区駒込動坂町23番地)、関西取次:だるまや書店(大阪市南区炭屋町二十五番地)
巻五
1931年(昭和6年)11月15日発行。
著者及び発行者:伊藤晴雨、発行者:伊藤勝千代、印刷者:佐藤倫一郎、発売元:城北書院(東京市本郷区駒込動坂町23番地)、関西売捌所:柳原書店(大阪市東区北久太郎町四丁目)
巻六
1932年(昭和7年)11月15日発行。
著者及び発行者:伊藤晴雨、発行者:伊藤勝千代、印刷者:山田孝慈(東京市荒川区日暮里町七丁目九五〇)、発売元:城北書院(東京市本郷区駒込動坂町23番地)、関西売捌所:柳原書店(大阪市東区北久太郎町四丁目)
山田孝慈は『美人乱舞』の印刷者。
発行人・編集人
主な出来事
別冊・増刊号
エピソード
- 濡木痴夢男は『いろは引・江戸と東京 風俗野史』を愛読し、ここから題材を得て、浪曲台本『人情深川夫婦甘酒』を書いた[2]。
- 7刊以降に収録予定だった作品が『江戸の盛り場』『枕』として出版されたようだ[1]。
伊藤晴雨全書籍
- 伊藤晴雨『いろは引・江戸と東京 風俗野史 全6巻』(弘文館、六合館、城北書院, 1927-1932)
- 伊藤晴雨『責の研究』(私家版,1928)
- 伊藤晴雨『責の話』(温故書屋, 1929.9)
- 柳亭左樂『嘘つき彌次郎』in「落語全集 上巻」(大日本雄辯會講談社, 1929.10.10)の挿絵。
- 伊藤晴雨『責めの研究』in 『世界の刑罰性犯変態の研究』(会員頒布, 1930)
- 伊藤晴雨『論語通解』(温古書屋, 1930)
- 伊藤晴雨『女三十六気意』(粹古堂書店, 1930)
- 伊藤晴雨『画家生活内幕ばなし』(1930, 天守閣)
- 伊藤晴雨『北海道樺太十和田湖 回遊記念帖』(城北書院, 1931)
- 伊藤晴雨『女三十六気意』(粹古堂書店, 1932)
- 伊藤晴雨『美人乱舞』(1932, 粹古堂書店)
- 伊藤晴雨『川柳珍画集』(1932, 粹古堂書店)
- 伊藤晴雨『曾我廼家五郎一座絵本』(1932)
- 伊藤晴雨『自畫自伝』(私家版, 1947)
- 伊藤晴雨『江戸の盛り場』(富士書房, 1947)
- 桑野桃華『江戸自慢風流伊達姿』(良文堂書店, 1947.9.10)(装幀:伊藤晴雨)
- 伊藤晴雨『日本変態刑罰畫譜』(私家版, 1947?, 粹古堂取り扱い)[注 1]
- 伊藤晴雨『人肉市場』(私家版, 1947?, 粹古堂取り扱い)[注 1]
- 伊藤晴雨『枕』(粹古堂, 1948)
- 藤澤衛彦・伊藤晴雨『日本刑罰風俗図史 上』(粹古堂, 1948)
- 藤澤衛彦・伊藤晴雨『日本刑罰風俗図史 中』(粹古堂, 1949)
- 伊藤晴雨『責の研究 全』(私家版 , 1950.5.20)
- 伊藤晴雨『凄絶女體 拷問私刑秘畫集』(調査中)
- 藤澤衛彦・伊藤晴雨『日本刑罰風俗図史 下』(粹古堂, 1951)
- 伊藤晴雨『十二ヵ月行事奇態刑罰畫譜』(調査中)
- 伊藤晴雨『責の四十八手』(粹古堂, 1951.1)
- 伊藤晴雨『江戸時代の警察制度』(立花書房, 1951.6.10)
- 伊藤晴雨『黒縄記』(私家版, 1951.9)
- 伊藤晴雨『繪物語皿皿郷談』(粹古堂, 1951)
- 伊藤晴雨『芝居に現れた女の責場』(1951)
- 伊藤晴雨『責のこれくしょん』(私家版, 1952.1.15)
- 伊藤晴雨『ビールが人を殺した話』in 「ほろにが通信」8月号(アサヒビール, 1952)(『アンソロジー ビール』(パルコ, 2014.7.1に再録)
- 伊藤晴雨『危機一髪畫譜』(粹古堂, 1952)
- 伊藤晴雨『與力同心岡ツ引』(粹古堂, 1952)
- 伊藤晴雨『性犯罪と私刑』(粹古堂, 1952)
- 伊藤晴雨『文京區繪物語』(文京タイムス, 1952)
- 伊藤晴雨『責の話』(粹古堂, 1952)
- 伊藤晴雨『責のモデル写真集 第一集〜第三集』(粹古堂, 1952)
- 伊藤晴雨『江戸時代探奇伝説絵巻』(粹古堂, 1952)
- 伊藤晴雨『美人十二支責め繪巻』(粹古堂, 1952)
- 伊藤晴雨『枕』(粹古堂, 1953)
- 伊藤晴雨『恵の露』(粹古堂, 1953(要確認))
- 伊藤晴雨(要確認)『拷問私刑秘画集』(日本特集出版社, 1953)
- 伊藤晴雨『新版・美人乱舞』(粹古堂, 1954)
- 伊藤晴雨・比企雄二『同性愛の秘技を探る』in 太田典禮「第三の性」(妙技出版, 1957)((礫川全次『男色の民俗学』(批評社, 2003)に再録。))
引用文献
- ↑ 1.0 1.1 1.2 伊藤晴雨・著、宮尾與男・編『いろは引・江戸と東京 風俗野史 』(国書刊行会, 2001.6.30)
- ↑ 濡木痴夢男『「奇譚クラブ」の絵師たち』(河出書房新社, 2004)