モダンアート

中島貞夫作『にっぽん’69 セックス猟奇地帯』(東映, 1970.8.14) で紹介されているモダンアート

概要

新宿二丁目にあった小劇場。「新宿モダンアート」「実験小劇場モダンアート」とも呼ばれる。初代社長は益岡清志。当時盛り上がっていたアングラ演劇や前衛舞踏の舞台として作られた。「前衛演劇、八ミリ映画、ヌードに軽演劇などを組合わせた、地下劇場」前衛集団の「黒の会」や「薔薇卍結社」などの公演が記録されている。70年代に入りアングラブームが去った後には、主にストリップの公演に使われていた。

歴史

1967年(昭和42年)、益岡清志によりアングラ小劇場として設立。

1968年(昭和43年)2月、天井桟敷の『新宿のユリシーズ』を公演。

1976年(昭和51年)4月、川上譲治が照明係として入社。

1979年(昭和54年)1月、警察の手入れの強化を受け、萩本オーナーによる「脱マナ板ショー」宣言。

1979年(昭和54年)4月、既に川口DX劇場を退社していた川上譲治が、『DXブーレン』の製作として流山児祥シナリオによる「オカマ＆ストリッパー 濡れた花弁に弾丸を！」を上演。この時、既にオーナーは萩本から他の人物に変わっていた模様。

1980年(昭和55年)12月、川上譲治がラー企画のメンバーを使った前衛SMショー『胡弓&カラス』を上演して大人気となる。

1987年(昭和62年)8月31日、廃館。

所在地

東京都新宿区新宿2-12-7

トピックス

• 寺山修司の天井桟敷も公演。
• 向井一也が奇譚クラブ1968年(昭和43年)11月号で募集していた、劇団「新しい波」の連絡先が、モダンアート、あるいは名古屋の今池アングラ劇場内の向井常となっていた。
• 川上譲治が入社した時のモダンアートのオーナーは「萩本」。萩本が支配権を有していた系列店は、モダンアート、大宮DX劇場、川口DX劇場、宇都宮DX劇場、郡山の劇場。
• 1980年(昭和55年)頃の社長は野部、支配人は柴田。オーナーは既に萩本ではない。