「奇譚クラブの別冊・増刊号」の版間の差分
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第1弾~第3弾は本誌と同じ雑誌コード(IBMコード)2805が印刷されているが通刊番号には組み込まれていない。 | 第1弾~第3弾は本誌と同じ雑誌コード(IBMコード)2805が印刷されているが通刊番号には組み込まれていない。 | ||
第4弾は企画当初『緊縛女体の表情とアップ』または『傑作責画と写真集』という題名であったが、どうやら「別冊奇譚クラブ」と「奇譚クラブ 限定版特別号」の二誌を途中で第4弾として統合した様である。その事を表現するかの様な二人の女性が歩み寄る表紙絵が象徴的に映る。他にも、第四弾には表紙のみが異なる「別冊奇譚クラブ限定版特別号 縲美苑」というタイトルの物も存在している。[[天星社]] | 第4弾は企画当初『緊縛女体の表情とアップ』または『傑作責画と写真集』という題名であったが、どうやら「別冊奇譚クラブ」と「奇譚クラブ 限定版特別号」の二誌を途中で第4弾として統合した様である。その事を表現するかの様な二人の女性が歩み寄る表紙絵が象徴的に映る。他にも、第四弾には表紙のみが異なる「別冊奇譚クラブ限定版特別号 縲美苑」というタイトルの物も存在している。[[天星社]]時代の別冊と限定版の製本状態から推測すると縲美苑は限定版の系統、二人の女性が歩み寄る表紙は別冊の系統、として中身は統合されているが2通りの販売ルートが有った可能性がある。異説として縲美苑は海賊版ではないかという説もある。 | ||
第5弾以降も企画されていたが、第4弾以降には別冊及び限定版特別号は確認されていない。その代わり限定版写真集として[[美しき縛しめ]]が10年ぶりに復活している。 | |||
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2013年5月21日 (火) 09:36時点における版
概要
奇譚クラブの別冊・限定版・増刊号をまとめている。
増刊号は奇譚クラブ本誌の枠で同じ雑誌コード(IBMコード)2805-xxとして発行されているが、別冊は奇譚クラブ本誌とは別枠で発行され雑誌コード(IBMコード)が印刷されていない点で大きく異なる[注 1]。
限定版は書店での販売は行われず専ら読者向け通信販売限定となっている。
別冊
曙書房時代
1949年(昭和24年)1月、『別冊奇譚クラブ 世界歡楽街めぐり』
1949年(昭和24年)4月、『別冊奇譚クラブ 第七天國探訪記』[注 2]
1949年(昭和24年)10月、『別冊奇譚クラブ 歡楽街探訪』[注 3]
天星社時代
天星社時代、奇譚クラブ本誌は白表紙時代とも呼ばれ表紙が白黒であったが、別冊に関しては曙書房時代のA5版本誌を踏襲している。
1960年(昭和35年)10月、『別冊奇譚クラブ 秋冷新星号 「告白、手記、体験」特集』第1巻 第1号[注 4]
1960年(昭和35年)11月、『別冊奇譚クラブ 十一月特選号 特異小説『淫火』『狐灯』』第1巻 第2号
1960年(昭和35年)12月、『別冊奇譚クラブ 『マゾヒズム特集号』』第1巻 第3号
1961年(昭和36年)1月、『別冊奇譚クラブ特別号』第2巻 第1号
限定版
限定版は書店での店頭販売は行われず、専ら本誌読者に対する通信販売だった様で「限定版は、一切店頭販売はいたしませんので、購読御希望の方は直接発行所へお申し込み下さい。」という記述が随所にみられる。
特集号、特別号
天星社から限定版特集号(後に限定版特別号)として第4弾までの発売が確認されている。企画自体は第7弾までされていたが別冊との統合や美しき縛しめなどへ変化していったものと思われる。
1959年(昭和34年)2月、『第1弾 緊縛フォトアラベスク 略号「あらべすく」』 定価五百円
1960年(昭和35年)2月、『第2弾 緊縛写真と緊縛画集 略号「緊縛」』 定価五百円
1960年(昭和35年)?月、『第3弾 緊縛写真グラフ集 略号「グラフ」』 定価五百円
1961年(昭和36年)1月、『第4弾 別冊奇譚クラブ特別号 略号「別特」』 定価五百円
第1弾は臨時増刊号でもあり、また限定版特集号であって特別号ではないようであるが何にせよ第一弾(第1集)である。第3弾以降は特集号を特別号に改めている。
第1弾~第3弾は本誌と同じ雑誌コード(IBMコード)2805が印刷されているが通刊番号には組み込まれていない。
第4弾は企画当初『緊縛女体の表情とアップ』または『傑作責画と写真集』という題名であったが、どうやら「別冊奇譚クラブ」と「奇譚クラブ 限定版特別号」の二誌を途中で第4弾として統合した様である。その事を表現するかの様な二人の女性が歩み寄る表紙絵が象徴的に映る。他にも、第四弾には表紙のみが異なる「別冊奇譚クラブ限定版特別号 縲美苑」というタイトルの物も存在している。天星社時代の別冊と限定版の製本状態から推測すると縲美苑は限定版の系統、二人の女性が歩み寄る表紙は別冊の系統、として中身は統合されているが2通りの販売ルートが有った可能性がある。異説として縲美苑は海賊版ではないかという説もある。
第5弾以降も企画されていたが、第4弾以降には別冊及び限定版特別号は確認されていない。その代わり限定版写真集として美しき縛しめが10年ぶりに復活している。
写真集
天星社時代に発行された美しき縛しめ第三集以降の冠として限定版第n号や限定版写真集と付けられた。広告の際は限定版グラビヤ写真集とされる事が多かった。但しなぜか第六集のみ広告及び表紙の印刷とも「限定版写真集」ではなく「アルバム」という冠に成っている。「限定版」が書店販売されずに通信販売限定を意味する為、第六集のみアルバムとして店頭販売された可能性もある。
1964年(昭和39年)2月、『限定版第一号 美しき縛しめ 第三集』 略号「美3」
1964年(昭和39年)6月、『限定版第二号 美しき縛しめ 第四集』 略号「限二」※実際の発売は1966年3月。
1965年(昭和40年)6月、『限定版写真集 美しき縛しめ 第四集』 略号「美4」※第四集は2巻ある。
1965年(昭和40年)8月、『限定版写真集 女性刑罰拷問特集 日本版』 略号「美5」
1966年(昭和41年)2月、『限定版写真集 美しき縛しめ 第七集』 略号「美7」
1966年(昭和41年)2月、『限定版写真集 美しき縛しめ 第八集』 略号「美8」
1966年(昭和41年)8月、『限定版写真集 女性刑罰拷問特集 西洋版』 略号「美9」
1966年(昭和41年)8月、『限定版写真集 美しき縛しめ 第十集』 略号「美10」
1966年(昭和41年)11月、『限定版写真集 美しき縛しめ 第十一集』 略号「美11」
この後、写真集は増刊号として出版される事になる。
増刊号
増刊号は全て「臨時増刊号」とされた。
1952年(昭和27年)2月、通刊第4x号 第6巻 第2号『魅惑』[注 5]
1953年(昭和28年)12月、通刊第63号 第7巻 第13号『アリスの人生学校』
1958年(昭和33年)1月、通刊第103号 第12巻 第2号『責小説特集』
1958年(昭和33年)7月、通刊第110号 第12巻 第9号『SADO特集 第一集』
1958年(昭和33年)12月、通刊第115号 第12巻 第14号『青い廃院』
1959年(昭和34年)1月、通刊第118号 第13巻 第2号『『悦辱小説と緊縛写真』特集 No.1』
1959年(昭和34年)4月、通刊第122号 第13巻 第6号『SADO特集 第二集』
1959年(昭和34年)6月、通刊第125号 第13巻 第9号『『悦辱小説と緊縛写真』特集 No.2』
1959年(昭和34年)11月、通刊第131号 第13巻 第15号『SADO特集 第三集 地獄の無法地帯』
1960年(昭和35年)1月、通刊第134号 第14巻 第2号『『悦辱小説と緊縛写真』特集 No.3』
1960年(昭和35年)3月、通刊第137号 第14巻 第5号『SADO特集 第四集 美しき残虐物語』
1960年(昭和35年)4月、通刊第139号 第14巻 第7号『『悦辱小説と緊縛写真』特集 No.4』
1960年(昭和35年)6月、通刊第142号 第14巻 第10号『『悦辱小説と緊縛写真』特集 No.5』
1963年(昭和38年)11月、通刊第183号 第17巻 第12号『写真と絵画〔文献〕特集』[注 6]
1964年(昭和39年)6月、通刊第191号 第18巻 第7号『花と蛇特集』四馬孝イラスト、グラビヤ、花と蛇 第15章まで
1966年(昭和41年)12月、通刊第222号 第20巻 第13号『花と蛇特集』四馬孝イラスト、上記+8章、第23章まで
1968年(昭和43年)1月、通刊第236号 第22巻 第2号 本誌広告から恐らく花と蛇特集と思われ、上記通刊第222号の再販の可能性が高い
1969年(昭和44年)5月、通刊第253号 第23巻 第6号『花と蛇特集』四馬孝イラスト、上記+4章、第27章まで
1970年(昭和45年)8月、通刊第269号 第24巻 第9号『花と蛇決定版』上記+47章、第74章まで
1970年(昭和45年)12月、通刊第274号 第24巻 第13号『女体緊縛写真集』
引用文献
注釈
- ↑ 従って増刊号は(一部の例外を除いて)本誌の通刊番号に組み込まれている為、出版状況の把握が容易だが、別冊には通刊番号が無く出版状況の把握が困難。その他の違いとして、奇譚クラブ表紙タイトルは昭和25年頃に統一されロゴ化し増刊号・限定版ともこれを踏襲しているが、別冊は独特の書体で書かれている。
- ↑ 編集・発行人は吉田稔。表紙は須磨利之。杉山清詩などの文。海部渡『梅田娘の體臭』に須磨利之の挿絵。瓜生正美『中京美人の横顔』の挿絵、魁京二や亀井七郎も須磨利之の変名と思われる。
- ↑ これは4月の『別冊奇譚クラブ 第七天國探訪記』の表紙だけを付け替えて販売されたもの。
- ↑ 創刊号という記載がある。編集・印刷・発行人は吉田稔。
- ↑ 2月に本誌が出版された事が確認出来ず、かつ、巻号からの判断では、この臨時増刊号は事実上の2月号本誌と思われる。但し、巻号の印刷が誤植であった場合を想定すると2月号本誌が出版されていた可能性もある。通刊番号は40~42のうちのいづれかの可能性が濃厚だが特定は出来ていない。
- ↑ 奇譚クラブ1964年(昭和39年)2月号, p34に塚本鉄三が悪書追放運動と重なった不運を嘆いている。
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