橈骨神経麻痺

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とうこつしんけいまひ

概要

緊縛プレイでしばしば起こる事故。上腕部の橈骨神経を圧迫するために神経麻痺を起こし、物を掴めなくなったりの障害を起こす。

別名

Saturday night palsy、Saturday night paralysis

解説

橈骨神経は腕を走る大きな神経のひとつで、肘を伸ばし折りや、手首、親指、人差し指の運動を支配する。腕の骨の周りを複雑に通っており、特に上腕部の中央付近は、上腕骨近くを通っており圧迫を受けやすい。上腕(二の腕)に強い力が長時間かかり、橈骨神経の圧迫麻痺が起こると橈骨神経麻痺となる。腕枕でうたた寝した時に、腕が痺れて動かなくなる状態が橈骨神経麻痺の軽い症状で、英語のSaturday night palsyも「土曜の夜に恋人に腕枕をして寝た時の痺れ」という語源をもつ。 しかし、緊縛における橈骨神経麻痺はこのようなロマンチックな表現でおさまるものではなく、強い麻痺を起こした場合には、日常生活にも支障をきたし、回復に数ヶ月、あるいは数年の時間がかかってしまうことをしっかりと認識しておかなければならない。

橈骨神経麻痺を回避するためには

  • 上腕部を必要以上に強く締めて縛らない。
  • 橈骨神経上腕部の中央付近は、上腕骨近くを通っており圧迫を受けやすいので、この部分には縄をかけない。ただし、この近くに縄をかけるのは、後手高手小手のキモでもあるところがジレンマである。脇の下から二の腕に掛けて橈骨神経が走っているので、後手高手小手の上の縄は脇付近に掛けて、その縄を外れない措置として縄を脇の下を通す場合には脇を圧迫しないように縄掛けするように留意し、下の縄は、上の縄に比べて、弱めに縛るのが1つの解決策である。
  • 縛られる側は、過去に橈骨神経麻痺を経験している場合は、その旨を予め縛り手に伝えなければならない。
  • 縛られる側は、異常を感じた場合には、即座に縛り手に報告しなければならない。ただし、この時点で既に神経麻痺を発症していることが多くある。
  • 縛り手は、縛られる側が、過去に橈骨神経麻痺を経験している場合には、特に慎重に腕への縄がけをおこなわなければならない。
  • 縛り手は、縛られる側が異常を訴えた場合は、即座に緊縛を中止するか、原因となっている縄かけを速やかに見つけて対処しなければならない。
  • 特に橈骨神経麻痺を起こしやすい吊りは、初心者はむやみに行うべきではない。
  • 安全な緊縛プレイのための10箇条 ~縛られる側の心得~を参考に。

症状

  • 手の甲の親指側周辺と人差し指周辺が痺れる。
  • 肘から親指にかけての領域に痺れを感じる。
  • 手首がだらんと下がったままになる。
  • 物を掴めなくなる。

治療

  • 整形外科(形成外科ではない)を受診し、治療を受ける。
  • 橈骨神経麻痺の治療に実績のある治療院などで治療を受ける。

引用文献

注釈

お役たちweb

関連ページ

安全な緊縛プレイのための10箇条 ~縛られる側の心得~