乗馬

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2013年5月13日 (月) 12:46時点におけるC (トーク | 投稿記録)による版 (→‎調教と馴致)

概要

SMにおける乗馬或いはそれに関連する事柄をモチーフとしたものとして、以下のものが挙げられる。

乗馬鞭

 SMと言えば鞭と蝋燭と言われるくらい鞭は主役的存在だが、SM用として市販されている鞭の殆どはSM用であって乗馬用とは形や素材が異なる。

 乗馬鞭には乗り手が使う短鞭と長鞭の他に調教用の追い鞭などが主に知られているが、このうちSMグッズショップでは主に短鞭を模した柔らかいものがSM用の乗馬鞭として市販されている。短鞭は扱い易く軽く当てるのみであれば初心者向きでもある。

1.短鞭

 短鞭は、ジャンプ競技や野外騎乗などで利用される最も普及した乗馬鞭。乗り手の片腕程の長さで釣竿程度に撓る棒状のものが一般的だが、上級者は馬や乗り手に合わせてカスタマイズ或いはオーダーメイドされた物を愛用する。

 SMで乗馬用の短鞭を利用するメリットは、硬くて短い為に狙った場所に難なく当てる事が出来る為、僅かな練習で思い通りの痛みを思い通りの部位に局所的かつ的確に与える事が可能で、また、乗馬や競馬で使われる見せ鞭としての効果や、指揮棒の様にして命令動作に利用したり、軽く肌を撫でる様にして愛撫などにも利用出来る。表面が皮製の物が多く、実用的な叩く道具として製造されている為に耐久性が有り、不慮の事故で意図しない切り傷を作ってしまう様な事故も起き難い。

2.長鞭

 長鞭は、ドレッサージュ(馬場馬術)で利用される人の背丈程度の長さで釣竿程度の硬さの棒状の鞭で、先端部分に数センチ程の皮や紐が取り付けられている物。通常は右手の親指側に鞭の後端を持ち手首のスナップを使って軽く馬の臀部に触れる程度に当てて使うが、人肌に使うと軽い操作で局所的に鋭い痛みを与える事が可能である。SMで利用するには前もってある程度の練習が必要だが、素材が硬い為に大きく的を外す様な事はなくSM用として売られている一本鞭よりも扱い易い。難点は一本鞭バラ鞭などのSM用の鞭よりも地味で、見た目の派手さが足りない事。

3.追い鞭

 調教の過程で利用される鞭、長鞭より更に長い鞭の先端に、それよりも長いロープが付けられていて、調教師が馬から数メートル離れた位置から馬を追い立てる為に利用する。馬体に直接当てる事はあまり無く、鞭の音を使った威嚇によってする。SMで利用するには長過ぎて不向きだが、SMショーの演出としては効果的かもしれない。但し先端が目に入れば失明の危険が非常に高く、かつ相当の錬度が必要な為あまり御勧めは出来ない。乗馬の調教においても目に入らない様に先端部分が地を這う様にして使われる事が多い。

乗馬服姿に対する崇拝

 乗馬服姿に対するフェティシズムの一種。

 乗馬服といっても多種多様であるが、馬術競技毎に厳格なドレスコードが有る。

 ドレッサージュの公式な場での乗馬服は、基本的には燕尾服にシルクハットと皮手袋であるが、パンツ(ズボン)は動き易さを重視したスパッツに近い足の形にぴったりフィットした物で内股に皮製のパットがあてられ、履物は長靴である。これ以外に競技会等において許されるのは自国の正式な軍服のみであり、つまり、元々は男性向けの正装であり厳格なドレスコードがある。これを基本形として競技会向けに動き易く略式としシルクハットを丈の短いものにしたものを男女ともに着ている。

 ジャンプの公式な場での乗馬服はドレッサージュに準ずるが燕尾ではなくジャケット、シルクハットではなく乗馬用のヘルメットが使われている。

 ウエスタン競技の公式な場での乗馬服は、ウエスタンブーツに大きな回転式の拍車、ジーンズ、チャップス、襟付きシャツ、テンガロンハットが基本で、日本国内では西部劇などで目にする姿であるが、国内でも馬術競技会では実物を目にする事が出来る。競技のルールとしてこれらの着衣が義務付けられており、テンガロンハットを落とすと減点などの厳しい採点ルールが有る。ウエスタン競技の特徴の一つとして牧畜作業を基本としている為に手を封じてしまう鞭は持たないが、牛追い系の競技においては捕縛用のロープを手にす事がある。ウエスタン乗馬服姿の女性を見る場合にフェチの対象と成り易いのはチャップスの割れ目からのぞくYゾーンと尻であろう。

 SMにおける乗馬服姿に対するフェティシズムは、女王様を崇めるM男の構図などがそのまま当てはまるが、公衆の面前で拍車を装着し鞭を手にしていたとしても戦前は普通の見慣れた光景[注 1]であったし、戦後においても馬術関連施設とその周辺地域であれば違和感無く存在出来る点でボンテージ(bondage)姿とは大きく異なる。

 乗馬をあまり見掛けなくなった現代においても、馬術競技会や会場周辺レストラン等では普通に見掛ける光景であり、その姿のまま長靴で踏みつけ、拍車を突き刺し、鞭を当てるといったSM行為が即時実行可能であり、そこから想像を膨らませる事でフェティシズムに文字通り拍車を掛けるであろう事が容易に想像出来る。

ポニーガール

 M女を馬(乗馬ではなく主に馬車馬)に模したロールプレイとして知られている。

 ポニーとは比較的小型の馬種の事で、成人男性が騎乗した場合は不恰好に映る為、子供や女性の乗馬として或いは一頭立ての小型馬車用の馬車馬として使役されている。M女を馬に見立ててロールプレイをした場合にも、まさにこれと同様に騎乗しては不恰好に映り、とても乗用には耐えられないが、小型軽量馬車の馬車馬としてなら、ちょうど人力車の様に軽快に使役させる事も比較的容易であり、従って馬車馬としての美しい歩様に向けての調教や、馬車馬としての馬具の装着、実際に馬車を引かせる行為などがポニープレイの内容である。本格的なポニープレイには専用のオーダーメイド馬具と、気品の有る小型の乗用馬車が必要であり、経済的なハードルが高い。

 別の側面として、馬は、その体格が大きい品種ほど性格がおっとりしているが、逆に小型の品種であるポニーは女性のヒステリー同様に短気を起こす性格の馬が多いが、ポニープレイにおいても、じゃじゃ馬ぶりを見せるM女を調教し馴致してゆく過程を楽しむといった意味が込められているのかもしれない。

調教と馴致

 本来、調教とは痛めつけたりするのが目的ではなく、人が意図した作業を馬などの動物にさせる為のトレーニングを重ねる行為を指す。そして馴致とは意図した作業や場の雰囲気などに動物が馴染み抵抗無く受け入れ易い精神状態に仕込んでゆく過程をあらわしている。

 乗馬における調教と馴致は、早いものでは生後まもなく開始し、数年~10年程度掛けて特定の競技や使役に適した状態に向けて完成させてゆく長期的で段階的かつ計画的な物である。

 SMにおける調教は時として漠然としていて単にSMプレイの事を指すと思われがちだが、本来の意味からいって、Sの側がMに対して何らかの長期的で段階的な目標を設定し、その目標を達成出来る様にトレーニングを重ねる事を指すべきで、その過程で「命令」に対して「反抗」した場合にのみ鞭などで罰を与え、逆に「従順」であった場合は愛撫して褒めてあげる事によって、いわゆる飴と鞭によってトレーニングを重ねてゆく行為を指すべきである。但し、M側にとっては鞭が飴に成り得る所にSMの醍醐味とでもいうものが潜んでいる様に思う。

 SMにおける馴致とは、例えばアナル開発の初期段階で軽くアナルに触れ、ローションを塗り込み、指先を僅かに挿入するなどして徐々にアナル行為に対する慣れと抵抗感を取り除いてゆき、小型で細いアナルプラグに慣れさせる所から始め、長期間掛けて目的の太さまで徐々に拡張してゆくといった行為がまさに馴致である。

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トピックス

引用文献

注釈

  1. 但し男性はともかくとして戦前は女性が大股を開いて乗り物に跨る事は破廉恥とされていた時代でもあり、女性が馬に跨る事自体が少なかったと思われる。アマゾンスタイルという両足を揃えて横乗りする騎乗スタイルが女性向けとされ、その場合の乗馬服姿は基本的にロングドレスであり、日本ではあまり普及しなかった。但し、現在でもアマゾンスタイルは極少数の愛好家達によって実践されている。

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