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1969年(昭和44年)1月、プロダクション鷹により『'''[[人肉の市]]'''』と題した映画が作られているが関係は不明。監督:木俣堯喬、出演;芦川絵理。 | 1969年(昭和44年)1月、プロダクション鷹により『'''[[人肉の市]]'''』と題した映画が作られているが関係は不明。監督:木俣堯喬、出演;芦川絵理。 | ||
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*1921年(大正10年)に、[[大日本雄弁会]]から、まず『'''現代'''』1月号〜5月号に連載された。翻訳は[[窪田十一]]、挿絵は[[高畠華宵]]。その後11月には単行本化されている。 | *1921年(大正10年)に、[[大日本雄弁会]]から、まず『'''現代'''』1月号〜5月号に連載された。翻訳は[[窪田十一]]、挿絵は[[高畠華宵]]。その後11月には単行本化されている。 | ||
*原本はElisabeth Schøyenのデンマーク版ではなく、ドイツ語翻訳版である。書籍の冒頭には「エリザベートtぽシューエン女子著『二〇世紀の恥辱、白き女奴隷』と題する大正八年出版、獨書を譚したものである。原著は各國語に翻譚せられ到所に、歓迎されて居る非常に面白い小説である。」とある。 | *原本はElisabeth Schøyenのデンマーク版ではなく、ドイツ語翻訳版である。書籍の冒頭には「エリザベートtぽシューエン女子著『二〇世紀の恥辱、白き女奴隷』と題する大正八年出版、獨書を譚したものである。原著は各國語に翻譚せられ到所に、歓迎されて居る非常に面白い小説である。」とある。 | ||
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2011年6月21日 (火) 12:26時点における版
概要
ノルウェーの作家Elisabeth Schøyen[注 1]の『白女奴隷』を窪田十一が1921年(大正10年)に大日本雄弁会講談社から翻訳出版したベストセラー作品。伊藤晴雨は「現代の被縛文芸の先駆けを為すもの」と評価している[1]。曾我廼家五九郎は観音劇場で舞台化しており、松竹キネマから映画化もされている。
別名
「白女奴隷」、「Den hvide Slavinde」(デンマーク語)、「Die Weiße Sklavin」「Weiße Sklaven」(ドイツ語)、「L’Esclave blanche」(フランス語)
歴史
1830年代、「白人奴隷貿易(white slave trade)」という言葉が生まれる。
1875年(明治8年)、英国で白人奴隷貿易の対象年齢が12才から13才に引き上げ。
1885年(明治18年)、英国で白人奴隷貿易の対象年齢が13才から16才に引き上げ。
1905年(明治38年)、ノルウェーの作家Elisabeth Schøyen[注 1]が『Den hvide Slavinde(白女奴隷)』を発表。Margaretha Meijboomによりドイツ語に翻訳される(確認中)。
1907年(明治40年)1月12日、『Den hvide Slavinde[注 2]』がデンマークで無声映画化される。製作:The Great Northern Company[注 3]、監督:Viggo Larsen[注 4]、脚本:Arnold Richard Nielsen、出演:Gerda Jensen、Viggo Larsen、Gustave Lund。7-8分の短い作品。
1910年(明治43年)4月11日、『Den hvide slavehandel』がデンマークのFotorama社から無声映画化される。制作:Th. S. Hermansen、監督:Alfred Cohn、脚本:Louis Schmidt、撮影:Alfred Lind、出演:Christel Holch、Kai Lind、Gunnar Helsengreen、Maja Bjerre-Lind、Peter Kjær
1910年(明治43年)8月2日、『Den hvide slavehandel』がデンマークデンマークのNordisk Film社から無声映画化される[注 5]。制作:Århus Fotorama company、監督:August Blom、出演:Ellen Diedrich, Victor Fabian, Julie Henriksen。この映画のあらすじは、『人肉の市』と同一である。45分の作品。
1911年(明治44年)、『Den hvide slavehandels sidste offer』がデンマークデンマークのNordisk Film社から無声映画化される。監督:August Blom。
1919年(大正8年)、Elisabeth Schøyenが『Den hvide slavehandel(白人奴隷貿易)』を発表。
1921年(大正10年)、『現代』(大日本雄弁会)1月号〜5月号に、窪田十一『人肉の市』が連載。挿絵は高畠華宵
1921年(大正10年)11月20日、窪田十一『人肉の市』(大日本雄弁会)が単行本化。挿絵・装幀は高畠華宵
1923年(大正12年)6月15日、無声映画『人肉の市』が浅草松竹館で公開。製作:松竹キネマ、監督:島津保次郎、脚色:武田晃、原作:エリザベート・シェーマン 「白女奴隷」、翻訳:窪田十一、撮影:桑原昴、出演:五月信子他
1920年代?、浅草観音劇場で曾我廼家五九郎が『人肉の市』を舞台化[1]。
1927年(昭和2年)、ドイツで『The White Slave Die Weisse Sklavin』として映画化。出演:Ria Jende, Reinhold Schunzel, Loni Tetzleff, Karl Falkenberg, Grete Berger, Magnus Stifter, Bernhard Gotzke, Erwin Fichter。東亜キネマを配給元に日本でも公開された模様。
1937年(昭和12年)1月、ドイツで『Weiße Sklaven. Panzerkreuzer Sewastopol 』と題した映画。
1938年(昭和13年)、フランスで『L’Esclave blanche』と題したコメディ映画。内容はトルコで生活するフランス婦人の物語。
1969年(昭和44年)1月、プロダクション鷹により『人肉の市』と題した映画が作られているが関係は不明。監督:木俣堯喬、出演;芦川絵理。
書籍『人肉の市』
- 1921年(大正10年)に、大日本雄弁会から、まず『現代』1月号〜5月号に連載された。翻訳は窪田十一、挿絵は高畠華宵。その後11月には単行本化されている。
- 原本はElisabeth Schøyenのデンマーク版ではなく、ドイツ語翻訳版である。書籍の冒頭には「エリザベートtぽシューエン女子著『二〇世紀の恥辱、白き女奴隷』と題する大正八年出版、獨書を譚したものである。原著は各國語に翻譚せられ到所に、歓迎されて居る非常に面白い小説である。」とある。
トピック
- 1957年(昭和32年)10月11日、ドイツ=イタリア映画『Liane - die weiße Sklavin』が製作。このポスターのデンマーク版(と推察される)にあ『Den hvide Slavinde』というタイトルがつけられているようだ[注 6]
- 1888年にフランス人画家 Jean Lecomte du Noüyが 『L’Esclave blanche(白女奴隷)』という絵を描いているが、作品年からみて無関係であろう。
- 書籍冒頭に「総合独逸婦人協会幹事」のAnna Pappritzと、「女子売買国際防止国家委員会」のJ. A. Wagnerの序説が原文つき和訳で掲載されている。ドイツ語版についていたものと思われる。Anna Pappritzは「奴隷制度廃止論者」としてWikipediaに記載されている。