「大共社」の版間の差分

提供:SMpedia
(同じ利用者による、間の35版が非表示)
1行目: 1行目:
[[画像:Daikyo1.jpg|250px|thumbnail|[[大共社]]のロゴ。]]
'''だいきょうしゃ'''、[[共和出版]]を引き継ぐ形で[[貝原茂]]が1977年頃設立した[[ビニ本]]会社。翌年[[志摩紫光]]が入社。「[[スペシャリーS&M]]」等の月刊誌やビデオに加え、一般書籍の販売にも手を出すが1983年頃廃業。
==概説==
==概説==
[[ビニール本・裏本|ビニ本]]の出版社として有名だが、1978年(昭和53年)から1983年(昭和58年)にかけて[[スペシャリーS&M]]を出版していたことも見逃せない。1982年頃からSMビデオも製作しており、SMビデオメーカーとしては最も古いメーカーの1つとなる。
[[ビニール本・裏本|ビニ本]]の出版社として有名だが、1978年(昭和53年)から1983年(昭和58年)にかけて[[スペシャリーS&M]]を出版していたことも見逃せない。1982年頃からSMビデオも製作しており、SMビデオメーカーとしては最も古いメーカーの1つとなる。


==歴史==
==歴史==
1978年(昭和53年)[[スペシャリーS&M]]通算3号に[[大共社]]の広告が。
1977年(昭和52年)頃、文化出版のカメラマンだった[[貝原茂]][[共和出版]]を引き継ぐ形で[[大共出版]]株式会社を創立<ref group="注">貝原は文化出版のカメラマンでファッションモデルを口説いてヌードなどを撮影し、これを本屋に売っていた</ref><ref name="interview1">[[志摩紫光]]インタビュー by U, on 2017.8.14</ref>。


1982年(昭和57年)7月、別会社の'''有限会社 [[大共出版]]'''を設立。[[スペシャリーS&M]]の出版元も[[大共出版]]に変更。
1978年(昭和53年)、[[志摩紫光]]が[[大共社]]に入社。[[世田介一]]の[[スペシャリーS&M]]の創刊に関わる。ビニ本の撮影も[[志摩紫光]]が担当。<ref name="takahashi19876">[[高橋信]]『'''ドキュメント[[志摩紫光]] 前編'''[[S&Mスナイパー]]1987年(昭和62年)6月号。</ref><ref name="dansism">[[北原童夢]]『'''「至高のダンディズム」を語る'''』[[S&Mスナイパー]]1991年(平成3年)8月号</ref>。


1982年頃、別会社'''たざわ書房'''が同住所に存在。
1978年(昭和53年)6月、[[スペシャリーS&M]]通算2号に[[大共社]]の「SMスペシャル」「SMハント No.11」「ファクトSM」「浣腸の悶え」の広告が。住所は高田馬場1-15-21。「SMスペシャル」は「[[大共社]]刊、[[大新商会]]扱」とある。
 
1981年頃、別会社'''[[たざわ書房]]'''が同住所に存在。
 
1982年(昭和57年)7月、[[大共出版]]株式会社からSM関連の出版を専門とする'''有限会社 [[大共出版]]'''がスピンアウト<ref name="interview1"></ref>。[[スペシャリーS&M]]の出版元も[[大共出版]]に変更。
 
1982年(昭和57年)7月、[[近代書房]]から『'''[[Spiral]]'''』Vol.1 No.1が創刊。編集人:[[三輪高志]]、発行人:[[塚本繁]]。雑誌コード15455-7。
 
1982年(昭和57年)12月1日、[[近代書房]]から創刊された『'''[[SPROUT]]'''』の印刷が大共社とある。また、志摩紫光の「吊り責め」などのSMがらみの写真や記事も。発行人:[[貝塚悟]]、編集人:[[渡辺一行]]。


1982年暮れから[[大共出版]]がビデオを販売していた模様。
1982年暮れから[[大共出版]]がビデオを販売していた模様。
16行目: 26行目:


==所在地==
==所在地==
*1978年(昭和53年)、東京都新宿区高田馬場1-15-21
*1979年(昭和54年)、東京都新宿区西早稲田2-17-19
*1979年(昭和54年)、東京都新宿区西早稲田2-17-19
*1980年(昭和55年)、東京都新宿区西新宿2-16-9
*1980年(昭和55年)、東京都新宿区西新宿2-16-9
*1981年(昭和56年)9月、新宿区戸山3-21-1東恵ビル
*1981年(昭和56年)9月、新宿区戸山3-21-1東恵ビル<ref group="注">[[たざわ書房]]もこの住所。</ref>
==エピソード==
*[[貝原茂]]が[[共和出版]]に入った10日後に、[[共和出版]]の社長が失踪。残ったスタッフで[[大共出版]]を作る<ref name="interview1"></ref>。
*貝原は兄弟で[[大共出版]]を運営しており、弟が会社をはじめ、やがて兄が専務で入る。弟は[[貝原茂]]。
*立川基地のカマボコ兵舎を撮影に使っていた<ref name="shimokawa">[[下川耿史]]『'''[[志摩紫光]]の軌跡 '''』[[S&Mスナイパー]]1993年(平成5年)4月号</ref>。
*1980年代に上野のナカタという人物が手形を割り出してから資金繰りが怪しくなり、


==代表的な雑誌・書籍==
==代表的な雑誌・書籍==
32行目: 48行目:
*『'''縄淫華'''』([[大共出版]], 1982.9.20)
*『'''縄淫華'''』([[大共出版]], 1982.9.20)
*『別冊スペシャリーS&M 群浣 創刊第1集 美囚四性隷女、淫虐秘録写真集』1982年(昭和57年)
*『別冊スペシャリーS&M 群浣 創刊第1集 美囚四性隷女、淫虐秘録写真集』1982年(昭和57年)
*『別冊スペシャリーS&M創刊2号 妖隷 純潔編』
*『別冊スペシャリーS&M創刊2号 妖隷 純潔編』(編集:[[山谷秋人]])
*『実録秘密SM Vol. 2』([[大共社]]、[[日月舎]])
*『実録秘密SM Vol. 2』([[大共社]]、[[日月舎]])
*『SMスクランブル Vol. 1』([[大共社]]、[[日月舎]]協力)
*『SMスクランブル Vol. 1』([[大共社]]、[[日月舎]]協力)
53行目: 69行目:


===ビニ本===
===ビニ本===
*『'''[[SMハント]] Vol. 11'''』([[大共社]], 不明)
*『'''[[SMハント]] Vol. 13'''』([[大共社]], 不明)
*『'''SM膣猟魔'''』([[大共社]], 不明)
*『'''SM膣猟魔'''』([[大共社]], 不明)
*『'''ファクトSM'''』([[大共社]], 不明)
*『'''[[SMスクランブル]] Vol.3'''』([[大共社]], 1979)
*『'''[[SMスペシャル]] Vol.2 激写'''』([[大共社]], 不明)(付録オールカラーグラフ『緊縛』)
*『'''[[SMスペシャル]] Vol.4'''』([[大共社]], 不明)
*『'''[[SMスペシャル]] Vol.6'''』([[大共社]], 不明)
*『'''ファクトSM No. 1'''』([[大共社]], 不明)
*『'''実録秘密SM'''』([[大共社]], 不明)
*『'''浣腸SM'''』([[大共社]], 不明)
*『'''SM浣腸の悶え'''』([[大共社]], 不明)
*『'''若妻SM 創刊号'''』([[大共社]], 不明)(付録モノクログラフ『屋外排泄』)
*『'''若妻SM 第3号'''』([[大共社]], 不明)(付録モノクログラフ『密室秘技』)
*『'''人妻SM Vol.1'''』([[大共社]], 不明)
*『'''人妻SM Vol.2'''』([[大共社]], 不明)(協力:[[日月舎]])(付録モノクログラフ『極限の歓喜』)
*『'''人妻SM Vol.4'''』([[大共社]], 不明)([[日月舎]]のロゴ)
*『'''人妻SM Vol.7'''』([[大共社]], 不明)(付録モノクログラフ『愛虐浣腸の極 加山ひろ子 愛虐飼育録』)
*『'''人妻SM 復刊第一弾'''』([[大共社]], 不明)
*『'''女子高生自慰'''』([[大共社]], 不明)
*『'''淫華譚'''』([[大共社]], 不明, 81D4-1)
*『'''炎姦'''』([[大共社]], 不明, 81D5-2)
*『'''人妻嬲ぶり'''』([[大共社]], 不明)
*『'''密火 創刊号'''』([[大共社]], 不明)
*『'''女姦'''』([[大共社]], 不明,D12-2)
*『'''女姦 Vol.2'''』([[大共社]], 不明)
*『'''女姦 Vol.3'''』([[大共社]], 不明)
*『'''SM外道'''』([[大共社]], 不明,D12-2)
*『'''満開 Vol.1'''』([[大共社]], 不明)
===ビデオ===
===ビデオ===
*『'''SM願望'''』([[大共出版]])(1982?)<ref group="注" name="cm1">[[スペシャリーS&M]]1982年(昭和57年)12月、通算27号に[[大共社|大共出版]]からの予約広告が出ている。11月発売とある。[[志摩紫光]]の作品なのか[[世田介一]]の作品なのか確認が必要。</ref>
*『'''SM願望'''』([[大共出版]])(1982?)<ref group="注" name="cm1">[[スペシャリーS&M]]1982年(昭和57年)12月、通算27号に[[大共社|大共出版]]からの予約広告が出ている。11月発売とある。[[志摩紫光]]の作品なのか[[世田介一]]の作品なのか確認が必要。</ref>
66行目: 111行目:
*『'''SM尿女縛絆嗜悦'''』(大共ビデオ, ??)
*『'''SM尿女縛絆嗜悦'''』(大共ビデオ, ??)
*『'''燃えて渇く2'''』
*『'''燃えて渇く2'''』
==エピソード==


== 引用文献==
== 引用文献==
77行目: 120行目:
[[世田介一]]
[[世田介一]]
[[志摩紫光]]
[[志摩紫光]]
{{ビニ本}}


{{DEFAULTSORT:たいきょうしゃ}}
{{DEFAULTSORT:たいきょうしゃ}}
[[Category:出版社]]
[[Category:出版社]]
[[Category:1970年代の出版社]]
[[Category:1980年代の出版社]]
[[Category:総索引]]
[[Category:総索引]]

2019年9月22日 (日) 09:59時点における版

大共社のロゴ。

だいきょうしゃ共和出版を引き継ぐ形で貝原茂が1977年頃設立したビニ本会社。翌年志摩紫光が入社。「スペシャリーS&M」等の月刊誌やビデオに加え、一般書籍の販売にも手を出すが1983年頃廃業。

概説

ビニ本の出版社として有名だが、1978年(昭和53年)から1983年(昭和58年)にかけてスペシャリーS&Mを出版していたことも見逃せない。1982年頃からSMビデオも製作しており、SMビデオメーカーとしては最も古いメーカーの1つとなる。

歴史

1977年(昭和52年)頃、文化出版のカメラマンだった貝原茂共和出版を引き継ぐ形で大共出版株式会社を創立[注 1][1]

1978年(昭和53年)、志摩紫光大共社に入社。世田介一スペシャリーS&Mの創刊に関わる。ビニ本の撮影も志摩紫光が担当。[2][3]

1978年(昭和53年)6月、スペシャリーS&M通算2号に大共社の「SMスペシャル」「SMハント No.11」「ファクトSM」「浣腸の悶え」の広告が。住所は高田馬場1-15-21。「SMスペシャル」は「大共社刊、大新商会扱」とある。

1981年頃、別会社たざわ書房が同住所に存在。

1982年(昭和57年)7月、大共出版株式会社からSM関連の出版を専門とする有限会社 大共出版がスピンアウト[1]スペシャリーS&Mの出版元も大共出版に変更。

1982年(昭和57年)7月、近代書房から『Spiral』Vol.1 No.1が創刊。編集人:三輪高志、発行人:塚本繁。雑誌コード15455-7。

1982年(昭和57年)12月1日、近代書房から創刊された『SPROUT』の印刷が大共社とある。また、志摩紫光の「吊り責め」などのSMがらみの写真や記事も。発行人:貝塚悟、編集人:渡辺一行

1982年暮れから大共出版がビデオを販売していた模様。

1983年(昭和58年)、スペシャリーS&M通算29号で休刊。

「アニマルビデオ」シリーズも製作。ビニ本ではSMもの。

所在地

  • 1978年(昭和53年)、東京都新宿区高田馬場1-15-21
  • 1979年(昭和54年)、東京都新宿区西早稲田2-17-19
  • 1980年(昭和55年)、東京都新宿区西新宿2-16-9
  • 1981年(昭和56年)9月、新宿区戸山3-21-1東恵ビル[注 2]

エピソード

  • 貝原茂共和出版に入った10日後に、共和出版の社長が失踪。残ったスタッフで大共出版を作る[1]
  • 貝原は兄弟で大共出版を運営しており、弟が会社をはじめ、やがて兄が専務で入る。弟は貝原茂
  • 立川基地のカマボコ兵舎を撮影に使っていた[4]
  • 1980年代に上野のナカタという人物が手形を割り出してから資金繰りが怪しくなり、

代表的な雑誌・書籍

雑誌

  • スペシャリーS&M1978年(昭和53年)〜1983年(昭和58年)
  • 『スペシャリーS&M 特別臨時増刊第2号 惑溺の競艶写真特集』1979年(昭和54年)
  • 『スペシャリーS&M 特別臨時増刊第3号 惑溺の競艶写真特集 嗜虐酔美』
  • 『スペシャリーS&M 特別臨時増刊第4号 惑溺の競艶写真特集』
  • 『スペシャリーS&M 特別臨時増刊第5号 惑溺の競艶写真特集』
  • 『スペシャリーS&M 特別臨時増刊第6号 惑溺の競艶写真特集 妖夢酔美』1980年(昭和55年)10月
  • 『スペシャリーS&M 特別臨時増刊第10号』
  • 『スペシャリーS&M 特別臨時増刊第13号』1983年(昭和58年)(発行所:日月舎、発行人:世田介一)
  • 縄淫華』(大共出版, 1982.9.20)
  • 『別冊スペシャリーS&M 群浣 創刊第1集 美囚四性隷女、淫虐秘録写真集』1982年(昭和57年)
  • 『別冊スペシャリーS&M創刊2号 妖隷 純潔編』(編集:山谷秋人)
  • 『実録秘密SM Vol. 2』(大共社日月舎)
  • 『SMスクランブル Vol. 1』(大共社日月舎協力)
  • 『SMスクランブル Vol. 5』(大共社)
  • 『SMスクランブル Vol. 6』(大共社)
  • 『ニューファクトSM Vol. 7』(大共社)(モデル:桜美穂)
  • 『SMスペシャル vol.5』(大共社)(モデル:五十嵐れい子)
  • 『女姦 Vol. 2』(大共社)
  • 『卍聖女地獄絵図』(大共社)(モデル:吉村早苗、野上麗子)
  • 『実録秘密人妻SM』(大共社)(モデル:早川妙子)
  • 『実録秘密人妻SM vol.3』(大共社)(モデル:渡部好美)
  • 『実録秘密若妻SM vol.4』(大共社)
  • 『実録秘密人妻SM vol.5』(大共社)(モデル:本間明子)
  • 『実録秘密人妻SM vol.8』(大共社)(モデル:Y夫人)
  • 『SM写真集 衝撃の告白 第4弾』(大共社)
  • 『妊婦 ”臨月腹を縛る”全記録写真集』(大共社)
  • 『幻花 第3集』(大共社)
  • 『SMビデオの女』(大共出版)

ビニ本

ビデオ

引用文献

  1. 1.0 1.1 1.2 志摩紫光インタビュー by U, on 2017.8.14
  2. 高橋信ドキュメント志摩紫光 前編S&Mスナイパー1987年(昭和62年)6月号。
  3. 北原童夢「至高のダンディズム」を語るS&Mスナイパー1991年(平成3年)8月号
  4. 下川耿史志摩紫光の軌跡 S&Mスナイパー1993年(平成5年)4月号

注釈

  1. 貝原は文化出版のカメラマンでファッションモデルを口説いてヌードなどを撮影し、これを本屋に売っていた
  2. たざわ書房もこの住所。
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 スペシャリーS&M1982年(昭和57年)12月、通算27号に大共出版からの予約広告が出ている。11月発売とある。志摩紫光の作品なのか世田介一の作品なのか確認が必要。
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 スペシャリーS&M1983年(昭和58年)、通算28号に広告

お役立ちweb

つながり

世田介一 志摩紫光 アイ企画 アイフル出版 飛鳥書房 アートプロ アド企画 ART-PRESS アリス出版 池端企画 異端文化研究会 APサービス SND企画 エース企画 エド・プロダクツ NKプランニング エメラルド出版 エルシー企画 L&B企画 エンジュル出版 桜桃書房 オージ企画 オリオン社 オリーブ社 魁心社 海鳴書房 花神社 画報社 カリーナ書房 カワハラ出版 関西企画 神田草艶書林 神田出版 北見書房 キャロル出版 協同企画 共和出版 九鬼 九段出版 グラフィック赤坂 グリーン企画 グリーン書房 クロード・アイ 群雄社出版 群雄新社 恵友書房 源氏出版 現代ジャーナル 見聞社 GO出版 光琳書房 コーリン出版社 コンパル出版 サクラ企画 三信企画 三陽出版 三和企画 スペースプレス 世紀出版 誠光社 セイスイ書房 セイント企画 セル企画 ゼロ企画 全国緊縛愛好会 セントラル企画 千日堂出版 有限会社総合 大共社 大新企画 大名出版 ダイヤ出版 竹内企画 田中企画 ダンディフォト企画 探美舎 チェリー出版 東京出版 東京通商 東宣 Do企画 トータルブック 日月舎企画 ニューグラフ社 ニューヨーク企画 ネスコ 八月書房 ハード&ハード社 PAL同人 花神社 薔薇書房 ビケン ピーター出版 ビーナス企画 ひかり書房 美研企画 プランデル プレスインドア フラワー出版 編集室アルファ マイルド出版 マグ出版 松尾書房 マリア書房 ミドリ書房 明治出版 明和出版 目黒川書房 森尾書房 矢来書房 YAC ヤック翔竜社 ヤング出版社 山手出版 友愛 雄山出版 ゆに書房 吉野企画社 義経企画 羅舞書房 LANDA.SS 隆正堂 るねさんす出版 浪漫社 YK企画