安全な緊縛プレイのための10箇条 ~縛られる側の心得~

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この記事は2011年(平成23年)9月15日に「Ardent Obsession III」に投稿されたブログ記事を転載したものです。

ローマSM事故

2011年(平成23年)9月10日、イタリア・ローマの郊外ブファロッタで、女学生が緊縛プレイ中に、縄で首が絞まって窒息死するという、なんとも痛ましい事故が起こった。

現在は、詳しい情報が次第に明らかにされている状態なので事件の全貌は不明である。ただ、断片的な情報をつなぎあわせると、不正確かもしれないが、次のような状況が見えてくる。

おそらく事件を起こした男性は、緊縛術を学び始めてあまり時間がたっていないと思われる。お酒とハシシを摂取した状態で、女性を二人を連縛し、さらに窒息プレイに似た縛りを取り入れるといった、無謀な縛りを深夜の駐車場でおこなおうとした。結果、一人の女性は死亡、一人は重症である。

悲しい事件ではあるが、もう1つ極めて重大な問題がこの事件には含まれている。

すなわち、この事件が『日本式Shibariセックスゲームで学生が死亡』とイタリアから発信され、またたく間に世界中に広まったことである。

折しもヨーロッパでは、「Kinbaku」「Shibari」ブーム。ヨーロッパの緊縛は、特に緊縛美を強調したアートとしての側面を強調しているのが特徴とも言える。

「Kinbaku」を学び、ヨーロッパで新しい文化として広めようとしてきた愛好家にとってに、この事件は極めて厳しい事件である。初期対応を誤れば、あるいはこのまま「kinbaku」が欧米から危険な物として排除されてしまう可能性がある。今が、大切な時期といえよう。

欧米ののKinbaku愛好家の間では、これを機に、緊縛の危険性を再認識・周知させ、このような事故が二度とおこならにようにと、いろいろな活動が活発化している。

その中でもRida女史が9月14日にアップした『Rope Bottom Safety Decalogue -AKA Rope is more dangerous than it is given credit for-』が秀逸なので、Rida女史の許可を得て翻訳し、ここにアップする。

類似の事故の再発が起こらないことを願った彼女の言葉に耳を傾けたい。


安全な緊縛プレイのための10箇条 ~縛られる側の心得~

一、 縛り手のことをよく知りましょう

縛り手が、誰もが知っている有名縛師というだけでは、貴方が縛り手のことを知っていることにはなりません。どんな場合でも、まず縛り手の方と十分なコミュニケーションをとりましょう。縛り手のことを知ることはともて重要なことなのです。いろいろ質問したりして、縛り手の方が緊縛に対してどのような考えを持ち、起こりうる危険性に対してどのような認識を持っているかを知りましょう。

二、 縛り手の方に貴方のことをよく知ってもらいましょう

たとえ貴方が初心者でも、それを縛り手の人に伝えるのを恥じてはいけません。正直に貴方の経験レベルを教えましょう。経験豊富なフリするのはよくありません。

三、 貴方のカラダのその日の状態を知りましょう

その日のカラダの状態が事故のリスクを大幅に上げることもあるのです。つまり、あの日にできたことが、今日もできるとは必ずしも限りません。同じ事をしても事故につながるかもしれません。その日のカラダの状態にあった、自分の限界点を知っておくべきです。

四、 貴方の体の不調を縛り手に知らせましょう

体調万全で縛られるにこしたことはありませんが、実際には、ちょっとお酒を飲んだ状態で縛られることになるかもしれません。頭がぼんやりする薬を飲んでいたり、寝不足や、時差ぼけの状態で縛られていることもあるかもしれません。そのような時、もし少しでも「いつもと違うな」と感じたなら、迷うことなくすぐに縛り手に知らせましょう。事故が起こる可能性がいつもより増していることを認識してもらうことが、まずは大切なことです。

五、 縛り手の不調を縛り手に知らせましょう

縛り手がお酒を飲んでいたり、薬を飲んでいたり、あるいは寝不足であることが分かったなら、縛り手に「極めて」事故が起こる可能性が高い状態であることを知らせましょう(中止するにこしたことはありません)。そこまででなくても、縛り手の方に対して「どうもいつもより反応が鈍い」とか、「なんだか今日は注意散漫だ」と感じたら、そのことを素直に縛り手に知らせて、注意を喚起しましょう。

六、 状態の悪化をすぐに縛り手に知らせましょう

縄は気持ち良いものです。受け手を恍惚状態にして忘我の状態に導きます。でも、事故の危険を下げるためには、頑張って、あなたが今、どのように縛られて、体にどのようなことが起こっているのかを冷静に知っていなければなりません。手の指先や足指を時々動かす、あるいは体をくねくねと折り曲げて、関節に無理がかかっていないかをチェックするのがよいでしょう。異常を感じたら、すぐに縛り手に知らせましょう。

七、 急ぐ必要はありません

あれもしたい、これもしたい。あんな風にも縛って欲しい・・・我慢しましょう。時間はたくさんあります。欲張っては事故を招いてしまいます。

八、 緊縛は競技ではありません

だれそれさんが、あんなこともしている、こんな難しいこともなし遂げたみたい・・・他人が気になりますね。でも、難しい縛りをこなしたからといって、その人がよりよい受け手になったという訳ではありません。貴方は貴方。緊縛は競技ではありません。初歩的な縛りのレベルだけで、ずっと楽しんでいてもいっこうに構わないのです。

九、 経験を積んでも危険の回避には常に謙虚に

貴方がいろいろな縛り手の方に、何百回と縛られたとします。でも、その華々しい経歴も、たった一回の事故で全ては消え去ります。経験をつんでも油断は禁物です。「事故のリスク」は、初心者でも経験者でも同じと考えましょう。ただ、経験者は「事故を避ける方法を」初心者よりもよく知っていることが多く、そのことで実際に事故の起こる可能性を下げることができるのです。

十、 縛り手にずけずけ言うのをためらってはいけません

どんなことでもいいので、おかしいなと思うことは遠慮なく縛り手に伝えなければなりません。縛り手は絶対主ではないのです。貴方の心を読むこともできません。貴方の身の安全は貴方自身が責任をもって守らなければならないのです。貴方が言いたいことを言わないとしたら、それは返って縛り手の負担にもなります。貴方がずけずけと言ってしまうと、あるいは一時的に縛り手のプライドを傷つけることになるかもしれません。でも、最終的には、縛り手は、貴方がそうしたことに感謝するはずです。人間の体は全ての人でそれぞれ異なるのです。縛り手の方が何百人を縛ってきたといっても、貴方の体は「何百人+1」番目の新しい体なのです。

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