トーク:団鬼六
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田代幸三
田代幸蔵
松竹
小津安二郎
美濃村氏の前では何だか女達が毒蜘蛛の吐き出す糸に操られるようにして化物の正体を現したようで不気味にさえ感じることがあった。女性の性というものは男だけに不可解なものではなく、彼女自身にとっても不可解なものではないだろうか。女性自身が自分の性をつかみ損ねて曖昧にしている所を美濃村氏によって動揺している性にある種の解決をつけられている感じも受けるのである。(団鬼六『外道の群れ―責め絵師伊藤晴雨をめぐる官能絵巻』(1996, 朝日ソノラマ))
「僕のことをね、みんな〝性の大家〟や〝SMの神様〟ゆうて持ち上げるでしょう。あれが困るんですわ。さも女性経験が多いようにいわれるけど、実際はそんなことはない。確かに愛人はおりました。それかて片手の指で足りる人数です。50歳を過ぎた頃から、どうも私は女とやるのが怖くなってね。小説のイメージが強いもんやから、した後で、〝団さん、口ばっかしやね〟って、女がいうんですよ。これがこたえてね。テクニックにも、あそこの大きさにも自信はありません。プライベートでは、SMも、縛りもやったことはないしね。だから年を取ってからは、〝愛人〟といっても肉体関係はなく、その姿を愛でるだけでよくなった」2011年5月27日号の「週刊ポスト」が「官能小説家が晩年、ついに見つけた最後の女性。団鬼六・最後のインタビュー〝私が愛した最後の女〟」