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[[画像:sugiura2.jpg|150px|thumbnail|[[SMキング]]1973年(昭和48年)8月号の『'''SMキング創刊一周年記念･編集部回顧座談会 ああ、苦しかったこの一年'''』より。]]
'''すぎうら　のりお'''　1942年(昭和17年)4月9日-
'''すぎうら　のりお'''　1942年(昭和17年)4月9日-




==活動内容==
==概要==
写真家。いわゆる「昭和SM写真」と称される陰影の強い独特の様式を完成させたSM写真家。70年代後半から[[濡木痴夢男]]とのコンビで多くの作品を発表した。
いわゆる「昭和SM写真」と称される陰影の強い独特の様式を完成させた写真家。劇団ひとみ座の大道具係を経験後、1967年(昭和42年) 頃、浅草の名門ストリップ劇場、[[浅草東洋劇場]]進行係・照明係に就く。1971年(昭和46年)には[[団鬼六]]の[[鬼プロ]]に参加し、[[たこ八郎]]と共に[[ピンク実演]]の制作や[[ピンク映画]]の助監督を担当。その後、[[鬼プロ]]が1972年(昭和47年)に[[SMキング]]を発刊した頃から、写真家として活動を開始し、70年代中頃に写真家として独立する。[[司書房]]の「[[SMファン]]」、[[東京三世社]]の[[SMセレクト]]、[[小説SMセレクト]]などのメインカメラマンとして活躍し、特に1974年(昭和49年)8月から始まる[[濡木痴夢男]]とのコンビで、昭和SM写真の典型的なスタイルを確立する。1982年(昭和57年)からは[[三和出版]]の[[SMマニア]]、[[SM秘小説]]、[[マニア倶楽部]]などに中心活動場所を移し、2002年(平成14年)頃からはインターネットを通じた作品発表にも力を入れている。


==別名==
==別名==
[http://www.nawapedia.com/index.php?title=Norio_Sugiura Norio Sugiura]
[http://www.nawapedia.com/index.php?title=Norio_Sugiura Norio Sugiura]、杉浦則文<ref group="注">[[SMセレクト]]1975年(昭和50年)7月号、および10月号にこの名前が使われている。次に登場する1976年8月号では「杉浦則夫」となっている。</ref><ref name="sentou">[http://manbou0318.bbs.fc2.com/ マンボウ資料館、2010年の魂狩人氏による調査]より。</ref>。


==略歴==
==略歴==
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1963年(昭和38年)頃、デザイン専門学校に進むが中退。劇団ひとみ座<ref group="注">ひょっこりひょうたん島で有名な人形劇団。1963年11月から1年間TBS系で放映された『伊賀の影丸』の制作に携わっていた。</ref>に大道具として入団<ref name="Joe">[http://smdetective.blog126.fc2.com/blog-entry-81.html Kabukijoe氏によるインタビュー(2010)]より。</ref><ref name="U">私信 to [[U]], 2010.4.12</ref>。
1963年(昭和38年)頃、デザイン専門学校に進むが中退。劇団ひとみ座<ref group="注">ひょっこりひょうたん島で有名な人形劇団。1963年11月から1年間TBS系で放映された『伊賀の影丸』の制作に携わっていた。</ref>に大道具として入団<ref name="Joe">[http://smdetective.blog126.fc2.com/blog-entry-81.html Kabukijoe氏によるインタビュー(2010)]より。</ref><ref name="U">私信 to [[U]], 2010.4.12</ref>。


1967年(昭和42年) 頃、兄の紹介<ref group="注">杉浦の兄は既に浅草東洋劇場にいた</ref>で浅草東洋劇場<ref group="注">Wikipediaによると「東洋興業経営。軽演劇を上演。1964年、浅草フランス座を取り壊して開場。1971年上階にあった寄席・浅草演芸ホールが移転する形で閉鎖。」とある。杉浦によると、浅草東洋劇場は初期の[[ストリップ]]スタイルで、脚本家、コメディアン、楽団員から構成。</ref>の進行係・照明係。[[深井俊彦]]などとも仕事を共にする<ref name="U"></ref>。
1967年(昭和42年) 頃、兄の紹介で[[浅草東洋劇場]]の進行係・照明係<ref group="注">杉浦の兄は既に[[浅草東洋劇場]]にいた</ref><ref name="U2">杉浦によると、[[浅草東洋劇場]]は初期の[[ストリップ]]スタイルで、脚本家、コメディアン、楽団員から構成。[[深井俊彦]]などとも仕事を共にした。</ref>。


1971年(昭和46年)、浅草東洋劇場の閉鎖の後、[[たこ八郎]]から[[団鬼六]]を紹介され鬼プロに参加<ref group="注">[[たこ八郎]]とは浅草時代に知り合っていた。[[たこ八郎]]は浅草の舞台には出ていた記憶はない。彼の芝居も観たことはなかった(私信 to U)。</ref>。[[たこ八郎]]が中心のピンク芝居の第1回目の制作に関わる。鬼プロは渋谷区桜ヶ丘のAGアパートにあった<ref name="U"></ref>。
1971年(昭和46年)、[[浅草東洋劇場]]の閉鎖の後、[[たこ八郎]]から[[団鬼六]]を紹介され[[鬼プロ]]に参加<ref group="注">[[たこ八郎]]とは浅草時代に知り合っていた。[[たこ八郎]]は浅草の舞台には出ていた記憶はない。彼の芝居も観たことはなかった(私信 to U)。</ref>。[[たこ八郎]]が中心の[[ピンク実演]]の第1回目の制作に関わる。[[鬼プロ]]は渋谷区桜ヶ丘のAGアパートにあった<ref name="U"></ref>。


1971年(昭和46年)頃、[[本木荘二郎]]が監督する鬼プロのピンク映画の制作に、[[田代幸三]]と共に助監督として参加。3本ほど制作<ref group="注">[[本木荘二郎]]が黒澤のプロデューサーであったことは[[田代幸三]]も教えてくれなかったので、2010年まで知らなかった。お酒好きの優しいおじさんで、可愛がってもらった(私信 to U)。</ref><ref name="Joe"></ref><ref name="U"></ref>。
1971年(昭和46年)頃、[[本木荘二郎]]が監督する[[鬼プロ]]のピンク映画<ref group="注">『'''白い乳房の戦慄'''』(1970.4)(製作:[[鬼プロ]]、配給＝[[ミリオン]]、監督：安芸敬三、脚本：[[団鬼六]]、出演：[[辰巳典子]])の可能性あり。ただし年は1970年になる。</ref>の制作に、[[田代幸三]]と共に助監督として参加。3本ほど制作<ref group="注">[[本木荘二郎]]が黒澤のプロデューサーであったことは[[田代幸三]]も教えてくれなかったので、2010年まで知らなかった。お酒好きの優しいおじさんで、可愛がってもらった(私信 to U)。</ref><ref name="Joe"></ref><ref name="U"></ref>。


1972年(昭和47年)、[[SMキング]]の編集に参加し写真撮影技術を深めて行く<ref group="注">SMキング時代は、メインは写真の編集であったようだ(Kinbakujoeインタビュー)。</ref><ref group="注">鬼プロはこの頃にはピンク芝居、ピンク映画は手を引いていた。</ref>。
1972年(昭和47年)、[[SMキング]]の編集に参加し写真撮影技術を深めて行く<ref group="注">SMキング時代は、メインは写真の編集であったようだ(Kinbakujoeインタビュー)。</ref><ref group="注">[[鬼プロ]]はこの頃には[[ピンク実演]]、ピンク映画は手を引いていた。</ref>。


1973年(昭和48年)、[[SMキング]]別冊、『辻村隆の世界』に始めて緊縛写真が掲載<ref group="注">全ての写真ではなく、一部が杉浦の作品。編集は杉浦と[[中原研一]]</ref><ref name="U"></ref>。
1973年(昭和48年)、[[SMキング]]別冊、『辻村隆の世界』に始めて緊縛写真が掲載<ref group="注">『倒錯の世界』の間違いか？''確認中。''全ての写真ではなく、一部が杉浦の作品。編集は杉浦と[[中原研一]]。</ref><ref name="U"></ref>。


1970年代後半、写真家として独立<ref group="注">SM写真を集中的に撮り始める前に、1，2年一般エロ写真を撮影していた。[[貴重な情報発信サイト|マンボウ資料館にある『恋人たち』]]などがその時代の作品かもしれない。</ref>。「[[SMセレクト]]」「[[SMファン]]」「[[SMマニア]]」「[[SM秘小説]]」の仕事。その後[[三和出版]]を中心に仕事。
1973年(昭和48年)、[[鬼プロ]]出入りしていた[[山崎紀雄]]と知り合い、[[ビニ本]]の下請け制作<ref name="hadaka">[https://amzn.to/2GxsDBZ 裸の巨人　宇宙企画とデラべっぴんを創った男　山崎紀雄]</ref>。
 
1970年代後半、写真家として独立<ref group="注">SM写真を集中的に撮り始める前に、1，2年一般エロ写真を撮影していた。</ref>。
 
1974年(昭和49年)8月4日、[[司書房]]の撮影で[[濡木痴夢男]]と初の仕事。撮影場所は[[けごん旅館]]でモデルはトンボ<ref name="nurekiwork">[[濡木痴夢男仕事メモ]]</ref>。
 
1975年(昭和50年)1月25日、[[東京三世社]]の撮影を[[濡木痴夢男]]と。撮影場所は[[けごん旅館]]。[[SMセレクト]]1975年(昭和50年)7月号のカラーグラビアに<ref>[[濡木痴夢男]]『'''[[カラー撮影同行記]]'''[[SMセレクト]]1975年(昭和50年)7月号。</ref>
 
1975年(昭和50年)6月、[[SMファン]]6月号の白黒グラビア『'''淫らな往診'''』。
 
1976年(昭和51年)8月、この頃から[[SMセレクト]]に作品掲載<ref>私信 to U, 2014.11.6</ref>。
 
1976年(昭和51年)9月、[[ニューセルフ]]9月号に「太陽がまぶしい」写真：[[杉浦則夫]]、モデル：[[五月ナミ]]
 
1979年(昭和54年)11月1日、[[光彩書房]]の『'''[[メンズメイト]]'''』11月号に「まさぐられたピンクの柔肌」写真：[[杉浦則夫]]、モデル：[[黒木遼]]
 
1980年(昭和55年)4月12日-13日、[[新宿ACB会館]]での『SM時代劇㊙拷問』撮影会のポーズ指導。
 
1982年(昭和57年)春頃、[[浅田昌弘]]の[[司書房]]から[[三和出版]]への独立に行動を共にする。「[[SMマニア]]」「[[SM秘小説]]」などの[[三和出版]]を中心に仕事をするようになる。
 
1980年代前半、アシスタントに[[橋本成喜]]。[[橋本成喜]]の独立後、入れ替わり[[不二秋夫]]が1年程アシスタントに<ref name="web">[http://maraimasato.blog90.fc2.com/ SM秘小説webと縛りの日々]</ref>。
 
1980年代後半、[[濡木痴夢男]]のコンビが少なくなり、[[麻来雅人]]などの緊縛師と組む<ref name="web"></ref>。
 
1986年(昭和61年)[[マニア倶楽部]]通巻第１号から2011年(平成23年)通巻第272号まで緊縛写真を毎号掲載している。


1990年(平成2年)、株式会社杉浦則夫写真事務所設立。
1990年(平成2年)、株式会社杉浦則夫写真事務所設立。


2002年(平成14年)、HP「公式電網雑誌」を[[平田明]]と共に立ち上げる<ref name="U"></ref>。
2002年(平成14年)10月、HP「[[公式電網雑誌]]」を[[麻来雅人]]と共に立ち上げる<ref name="U"></ref>。ムーンネット株式会社。
 
2005年(平成17年)、「[[公式電網雑誌]]」は6月に閉鎖。7月から（株）杉浦則夫写真事務所から「[[杉浦則夫緊縛桟敷]]」を立ち上げる。
 
2005年(平成17年)9月2日、[[マニア倶楽部]]のグラビア (2005年11・12月合併号に掲載）で約20年ぶり<ref>[[濡木痴夢男]]x[[杉浦則夫]]『'''緊縛美の考察'''』[[マニア倶楽部]]2005年11・12月合併号。インタビューは[[早乙女宏美]]。</ref>の[[濡木痴夢男]]・[[杉浦則夫]]のコラボ。モデルは[[早乙女宏美]]。
 
2010年(平成22年)1月24日、渋谷club『Module』にて『[[一縄会]]主催「[[冬縛]]縄宴」(第3回季縛縄宴)』。出演：[[雅]]、[[吉田よい|よい]]、[[ゆうな]]、[[ゆり]]、[[神田つばき]]、[[杉浦則夫]]、[[一鬼のこ]]、[[カリ]]、[[に～やん]]、[[SHIMA Malphas]]、[[海月くらげ]]、[[ひこ]]、[[獅子若]]、[[Yagiё]]、[[蓬莱かすみ]]、[[紫護縄びんご]]、[[時雨]]、[[エロ王子|王子]]、[[天ノ介]]、[[音縄]]、[[奈加あきら]]
 
2010年(平成22年)、[[奈加あきら]]、[[長田スティーブ]]、[[志摩紫光]]らとのコンビが多くなる。


2005年(平成17年)、HP「杉浦則夫緊縛桟敷」を立ち上げる。
2012年(平成24年)10月9日〜21日<ref group="注">急遽会期を28日まで1週間延長。</ref>、ギャラリー[[新宿座]]で初の個展『杉浦則夫写真展 女、裸、縄〜感じいるもの〜』。


2007年(平成19年)、久しぶりの[[濡木痴夢男]]とのコンビ撮影。
2013年(平成25年)9月27日ｰ30日、[[ロンドン緊縛美の祭典]]に出演。日本からは[[奈加あきら]]、[[上条早樹]]、[[杉浦則夫]]が。
 
2013年(平成25年)10月27日、赤坂歌楽歌良屋での『'''[[団鬼六]]師を偲ぶ集い～鴇色の蹴出し～'''』。主催：クリエイティブスタジオ煉瓦。出演：[[早乙女宏美]]、[[蕾火]]、[[杉浦則夫]]、[[鏡堂みやび]]、[[黒岩安紀子]]、[[奈加あきら]]、三宅貴代美。
 
2014年(平成26年)9月18-21日、サンフランシスコでの「'''[[BondCon]] 2014'''」に出演。日本からは[[杉浦則夫]]、[[長池士]]、[[風見蘭喜]]、[[上条早樹]]。
 
2015年(平成27年)6月7日、第1回[[縄の雲海塾]]を開催。出演：[[一鬼のこ]]、[[蓬莱かすみ]]、[[灯月いつか]]
 
2015年(平成27年)10月12-日、[[Schwelle]] 7 でワークショップと展覧会。
 
2017年(平成29年)4月9日、緊縛写真家としての活動45周年を記念した個展・写真集プロジェクトのクラウドファンディングが開始<ref>[http://www.sugiuranorio.tv/top/products/list.php?category_id=85 緊縛キネマより]</ref><ref group="注">企画の中心メンバーは[[三代目葵マリー]]、[[奈加あきら]]、[[蓬莱かすみ]]、[[蒼木樹里]]、[[やすいきしょう]]ら。最終的に600万円のファンディング(HPより）。「45年前に初めての緊縛写真を撮ったのが故[[辻村隆]]氏と向島[[百花園]]の廃屋であった。以来10年あまりを故[[濡木痴夢男]]氏と各社の月刊SM誌を撮り続けた。 編集者の想いは本作りに熱く文筆家、挿絵画家などもそうそうたるメンバーであった。モデル達も明日をもしれない生活を苦にしないフーテンであった。女達からは昭和の体臭を色濃くのこす懐かしいフイルム写真を残した。 そして現在のデジタル写真にいたるまでの個展・写真集制作を仲間の力を借り行いたいと思い、クラウドを募ることになりました。」</ref>。
 
{{20171210_極縄}}
 
{{20180201_縄の磁場}}
 
2023年(令和5年)3月25-26日、イタリア・ミラノの[[幽玄スタジオ]]でワークショップ。
 
2023年(令和5年)10月22日、神保町ネオ書房にて『'''[[杉浦則夫]]×[[春原悠理]]　朗読とスライド上映と緊縛写真のこれから'''』<ref group="注">2014年から2017年のあいだに『'''[[杉浦則夫緊縛桟敷]]'''』に掲載されていた、[[春原悠理]]の小説を文庫化した『'''花の眠る庭'''』出版記念を兼ねて。</ref>。


==エピソード==
==エピソード==
*[[濡木痴夢男]]とは[[三世社]]の紹介で知り合う。
*[[SMセレクト]]上に、[[杉浦則夫|杉浦則文]]の名前は遅くとも1975年(昭和50年)の7月号に出てくる（グラビア『七夕の育』)。同号には[[濡木痴夢男]]の『星まつりの虜囚』がある。同年11月号の[[杉浦則夫|杉浦則文]]のグラビア『家庭訪問』が[[濡木痴夢男]]の縛りのように見える。（1976年(昭和51年)11月号の「撮影同行記」を確認必要）<ref name="sentou"></ref>。
*[[須磨利之]]の緊縛写真を撮る機会はなかった<ref name="U"></ref>。
*[[須磨利之]]の緊縛写真を撮る機会はなかった<ref name="U"></ref>。
*80年代は[[濡木痴夢男]]との仕事が主であったが、[[志摩紫光]]などとも仕事をした。若い世代では[[麻来雅人]]など。[[明智伝鬼]]、[[雪村春樹]]とはそれぞれ1回だけ仕事をしたことがある<ref name="Joe"></ref>。その他、[[奈加あきら]]、[[長田スティーブ]]、[[遥美沙樹]]などが杉浦と一緒に仕事をしている。
*80年代は[[濡木痴夢男]]との仕事が主であったが、[[志摩紫光]]などとも仕事をした。若い世代では[[麻来雅人]]など。[[明智伝鬼]]、[[雪村春樹]]とはそれぞれ1回だけ仕事をしたことがある<ref name="Joe"></ref>。その他、[[ダーティ工藤]]、[[奈加あきら]]、[[狩野千秋]]、[[長田スティーブ]]、[[一鬼のこ]]、[[石津恭一郎]]、[[遥美沙樹]]などが杉浦と一緒に仕事をしている。
*[[谷ナオミ]]とは[[SMキング]]時代から懇意にしたが、谷の写真は撮ったことがない<ref name="Joe"></ref>。
*[[谷ナオミ]]とは[[SMキング]]時代から懇意にしたが、谷の写真は撮ったことがない<ref name="Joe"></ref>。
*杉浦自身は自らモデルに緊縛をしたことはない<ref name="Joe"></ref>。
*[[杉浦則夫]]のもとでアシスタントを経験してその後独立した写真家には、[[不二秋夫]]、井上一馬、[[橋本成喜]]、[[国吉紀行]]などがいる。
*[[不二秋夫]]がアシスタントであった。
*[[伊勢屋質店]]を撮影によく使っている。
*[[SMビデオ|アートビデオ]]の初期作品『セーラー服縄地獄』など数本に男優として出演している<ref group="注" name="manbou">『[[貴重な情報発信サイト|マンボウ資料館]]』より。</ref>


==代表作==
==代表作==
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===写真集===
===写真集===
『昭和緊縛史』など多数。[http://www.sugiura-photo.jp/]などを参照。
*『昭和緊縛史』など多数。[http://www.sugiura-photo.jp/]などを参照。
*『'''早春譜　[[杉浦則夫]]写真集'''』[[ヘイ！バディ]]1980年(昭和55)年12月号増刊。([[白夜書房]]。[[石井隆]]の絵と文も)
*『'''[[篠塚ひろ美]]　青春の光と影ー18歳'''』[[劇画ブッチャー]]1982年(昭和57年)12月号増刊。(撮影：[[杉浦則夫]])
*『[[花真衣]]刺青写真集』([[三和出版]], 1983)(撮影：[[杉浦則夫]])
*[[鏡堂みやび]]編集『'''[[杉浦則夫]]選集　淫翳礼讃'''』([[三和出版]], 2021.4.23)
 
===書籍===
*『孤高のSMカメラマン」in [http://www.amazon.co.jp/gp/product/4883927369?ie=UTF8&tag=iq05-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4883927369 菅野久美子『アダルト業界のすごいひと』(彩図社, 2010)]
===関連記事===
*[[濡木痴夢男]]x[[杉浦則夫]]『'''緊縛美の考察'''』[[マニア倶楽部]]2005年11・12月合併号。インタビューは[[早乙女宏美]]。
*[https://amzn.to/2CQcVS7 アートコレクターズ]


==引用資料==
==引用資料==
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==お役たちweb==
==お役たちweb==
*[http://www.sugiuranorio.jp オフィシャルサイト]
*[http://www.sugiuranorio.jp/top.html 杉浦則夫緊縛桟敷]
*[http://www.sugiuranorio.jp/top.html 杉浦則夫緊縛桟敷]
*[http://smdetective.blog126.fc2.com/blog-entry-81.html SM Detective:Exclusive Interview with Sugiura Norio]
*[http://smdetective.blog126.fc2.com/blog-entry-81.html SM Detective:Exclusive Interview with Sugiura Norio]
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2024年8月23日 (金) 16:23時点における最新版

杉浦則夫 (1942- )
SMキング1973年(昭和48年)8月号の『SMキング創刊一周年記念･編集部回顧座談会 ああ、苦しかったこの一年』より。

すぎうら　のりお　1942年(昭和17年)4月9日-


概要

いわゆる「昭和SM写真」と称される陰影の強い独特の様式を完成させた写真家。劇団ひとみ座の大道具係を経験後、1967年(昭和42年) 頃、浅草の名門ストリップ劇場、浅草東洋劇場進行係・照明係に就く。1971年(昭和46年)には団鬼六の鬼プロに参加し、たこ八郎と共にピンク実演の制作やピンク映画の助監督を担当。その後、鬼プロが1972年(昭和47年)にSMキングを発刊した頃から、写真家として活動を開始し、70年代中頃に写真家として独立する。司書房の「SMファン」、東京三世社のSMセレクト、小説SMセレクトなどのメインカメラマンとして活躍し、特に1974年(昭和49年)8月から始まる濡木痴夢男とのコンビで、昭和SM写真の典型的なスタイルを確立する。1982年(昭和57年)からは三和出版のSMマニア、SM秘小説、マニア倶楽部などに中心活動場所を移し、2002年(平成14年)頃からはインターネットを通じた作品発表にも力を入れている。

別名

Norio Sugiura、杉浦則文[注 1][1]。

略歴

1942年(昭和17年)4月9日、名古屋生まれ[2]。

1963年(昭和38年)頃、デザイン専門学校に進むが中退。劇団ひとみ座[注 2]に大道具として入団[3][4]。

1967年(昭和42年) 頃、兄の紹介で浅草東洋劇場の進行係・照明係[注 3][5]。

1971年(昭和46年)、浅草東洋劇場の閉鎖の後、たこ八郎から団鬼六を紹介され鬼プロに参加[注 4]。たこ八郎が中心のピンク実演の第1回目の制作に関わる。鬼プロは渋谷区桜ヶ丘のAGアパートにあった[4]。

1971年(昭和46年)頃、本木荘二郎が監督する鬼プロのピンク映画[注 5]の制作に、田代幸三と共に助監督として参加。3本ほど制作[注 6][3][4]。

1972年(昭和47年)、SMキングの編集に参加し写真撮影技術を深めて行く[注 7][注 8]。

1973年(昭和48年)、SMキング別冊、『辻村隆の世界』に始めて緊縛写真が掲載[注 9][4]。

1973年(昭和48年)、鬼プロ出入りしていた山崎紀雄と知り合い、ビニ本の下請け制作[6]。

1970年代後半、写真家として独立[注 10]。

1974年(昭和49年)8月4日、司書房の撮影で濡木痴夢男と初の仕事。撮影場所はけごん旅館でモデルはトンボ[7]。

1975年(昭和50年)1月25日、東京三世社の撮影を濡木痴夢男と。撮影場所はけごん旅館。SMセレクト1975年(昭和50年)7月号のカラーグラビアに[8]

1975年(昭和50年)6月、SMファン6月号の白黒グラビア『淫らな往診』。

1976年(昭和51年)8月、この頃からSMセレクトに作品掲載[9]。

1976年(昭和51年)9月、ニューセルフ9月号に「太陽がまぶしい」写真：杉浦則夫、モデル：五月ナミ

1979年(昭和54年)11月1日、光彩書房の『メンズメイト』11月号に「まさぐられたピンクの柔肌」写真：杉浦則夫、モデル：黒木遼

1980年(昭和55年)4月12日-13日、新宿ACB会館での『SM時代劇㊙拷問』撮影会のポーズ指導。

1982年(昭和57年)春頃、浅田昌弘の司書房から三和出版への独立に行動を共にする。「SMマニア」「SM秘小説」などの三和出版を中心に仕事をするようになる。

1980年代前半、アシスタントに橋本成喜。橋本成喜の独立後、入れ替わり不二秋夫が1年程アシスタントに[10]。

1980年代後半、濡木痴夢男のコンビが少なくなり、麻来雅人などの緊縛師と組む[10]。

1986年(昭和61年)マニア倶楽部通巻第１号から2011年(平成23年)通巻第272号まで緊縛写真を毎号掲載している。

1990年(平成2年)、株式会社杉浦則夫写真事務所設立。

2002年(平成14年)10月、HP「公式電網雑誌」を麻来雅人と共に立ち上げる[4]。ムーンネット株式会社。

2005年(平成17年)、「公式電網雑誌」は6月に閉鎖。7月から（株）杉浦則夫写真事務所から「杉浦則夫緊縛桟敷」を立ち上げる。

2005年(平成17年)9月2日、マニア倶楽部のグラビア (2005年11・12月合併号に掲載）で約20年ぶり[11]の濡木痴夢男・杉浦則夫のコラボ。モデルは早乙女宏美。

2010年(平成22年)1月24日、渋谷club『Module』にて『一縄会主催「冬縛縄宴」(第3回季縛縄宴)』。出演：雅、よい、ゆうな、ゆり、神田つばき、杉浦則夫、一鬼のこ、カリ、に～やん、SHIMA Malphas、海月くらげ、ひこ、獅子若、Yagiё、蓬莱かすみ、紫護縄びんご、時雨、王子、天ノ介、音縄、奈加あきら

2010年(平成22年)、奈加あきら、長田スティーブ、志摩紫光らとのコンビが多くなる。

2012年(平成24年)10月9日〜21日[注 11]、ギャラリー新宿座で初の個展『杉浦則夫写真展 女、裸、縄〜感じいるもの〜』。

2013年(平成25年)9月27日ｰ30日、ロンドン緊縛美の祭典に出演。日本からは奈加あきら、上条早樹、杉浦則夫が。

2013年(平成25年)10月27日、赤坂歌楽歌良屋での『団鬼六師を偲ぶ集い～鴇色の蹴出し～』。主催：クリエイティブスタジオ煉瓦。出演：早乙女宏美、蕾火、杉浦則夫、鏡堂みやび、黒岩安紀子、奈加あきら、三宅貴代美。

2014年(平成26年)9月18-21日、サンフランシスコでの「BondCon 2014」に出演。日本からは杉浦則夫、長池士、風見蘭喜、上条早樹。

2015年(平成27年)6月7日、第1回縄の雲海塾を開催。出演：一鬼のこ、蓬莱かすみ、灯月いつか

2015年(平成27年)10月12-日、Schwelle 7 でワークショップと展覧会。

2017年(平成29年)4月9日、緊縛写真家としての活動45周年を記念した個展・写真集プロジェクトのクラウドファンディングが開始[12][注 12]。

2017年(平成29年)12月10日、あわらミュージック劇場にて『極縄』。出演：杉浦則夫、奈加あきら、蓬莱かすみ、灯月いつか、蒼木樹里、やすいきしょう、悟空[注 13]。

2018年(平成30年)2月1日−7日、原宿 デザインフェスタギャラリーにて『杉浦則夫写真展 縄の磁場』開催[13]

2023年(令和5年)3月25-26日、イタリア・ミラノの幽玄スタジオでワークショップ。

2023年(令和5年)10月22日、神保町ネオ書房にて『杉浦則夫×春原悠理　朗読とスライド上映と緊縛写真のこれから』[注 14]。

エピソード

代表作

映画

写真集

書籍

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引用資料

  1. ↑ 1.0 1.1 マンボウ資料館、2010年の魂狩人氏による調査より。
  2. ↑ 杉浦則夫緊縛桟敷より。
  3. ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 Kabukijoe氏によるインタビュー(2010)より。
  4. ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 私信 to U, 2010.4.12
  5. ↑ 杉浦によると、浅草東洋劇場は初期のストリップスタイルで、脚本家、コメディアン、楽団員から構成。深井俊彦などとも仕事を共にした。
  6. ↑ 裸の巨人　宇宙企画とデラべっぴんを創った男　山崎紀雄
  7. ↑ 濡木痴夢男仕事メモ
  8. ↑ 濡木痴夢男『カラー撮影同行記SMセレクト1975年(昭和50年)7月号。
  9. ↑ 私信 to U, 2014.11.6
  10. ↑ 10.0 10.1 SM秘小説webと縛りの日々
  11. ↑ 濡木痴夢男x杉浦則夫『緊縛美の考察』マニア倶楽部2005年11・12月合併号。インタビューは早乙女宏美。
  12. ↑ 緊縛キネマより
  13. ↑ 活動45周年を記念して2017年(平成29年)4月9日から始まったクラウドファンディングの活動の1つ。原宿 デザインフェスタギャラリー Eastの2F、3F6室を使用。80点展示。

注釈

  1. ↑ SMセレクト1975年(昭和50年)7月号、および10月号にこの名前が使われている。次に登場する1976年8月号では「杉浦則夫」となっている。
  2. ↑ ひょっこりひょうたん島で有名な人形劇団。1963年11月から1年間TBS系で放映された『伊賀の影丸』の制作に携わっていた。
  3. ↑ 杉浦の兄は既に浅草東洋劇場にいた
  4. ↑ たこ八郎とは浅草時代に知り合っていた。たこ八郎は浅草の舞台には出ていた記憶はない。彼の芝居も観たことはなかった(私信 to U)。
  5. ↑ 『白い乳房の戦慄』(1970.4)(製作:鬼プロ、配給＝ミリオン、監督：安芸敬三、脚本：団鬼六、出演：辰巳典子)の可能性あり。ただし年は1970年になる。
  6. ↑ 本木荘二郎が黒澤のプロデューサーであったことは田代幸三も教えてくれなかったので、2010年まで知らなかった。お酒好きの優しいおじさんで、可愛がってもらった(私信 to U)。
  7. ↑ SMキング時代は、メインは写真の編集であったようだ(Kinbakujoeインタビュー)。
  8. ↑ 鬼プロはこの頃にはピンク実演、ピンク映画は手を引いていた。
  9. ↑ 『倒錯の世界』の間違いか？確認中。全ての写真ではなく、一部が杉浦の作品。編集は杉浦と中原研一。
  10. ↑ SM写真を集中的に撮り始める前に、1，2年一般エロ写真を撮影していた。
  11. ↑ 急遽会期を28日まで1週間延長。
  12. ↑ 企画の中心メンバーは三代目葵マリー、奈加あきら、蓬莱かすみ、蒼木樹里、やすいきしょうら。最終的に600万円のファンディング(HPより）。「45年前に初めての緊縛写真を撮ったのが故辻村隆氏と向島百花園の廃屋であった。以来10年あまりを故濡木痴夢男氏と各社の月刊SM誌を撮り続けた。 編集者の想いは本作りに熱く文筆家、挿絵画家などもそうそうたるメンバーであった。モデル達も明日をもしれない生活を苦にしないフーテンであった。女達からは昭和の体臭を色濃くのこす懐かしいフイルム写真を残した。 そして現在のデジタル写真にいたるまでの個展・写真集制作を仲間の力を借り行いたいと思い、クラウドを募ることになりました。」
  13. ↑ 「クラウドファンディング連携イベント」として蓬莱かすみ、kira、杉浦則夫写真事務所が企画。
  14. ↑ 2014年から2017年のあいだに『杉浦則夫緊縛桟敷』に掲載されていた、春原悠理の小説を文庫化した『花の眠る庭』出版記念を兼ねて。

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