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*口承文芸として形成した説話、[[説教節]]の代表作でもある『'''[[山椒太夫]]'''』には「丹波の穴太より、尋ね出だし、[[高手小手]]に縛めて、国分寺へぞ引きたりける」のように、「[[高手小手]]」が使われていたようだ。他にも「愛護若」にも「いたわしや若君を、[[高手小手]]に縛め、桜の古木に吊り」と出てくる<ref>東洋文庫「説教節」(平凡社)</ref>。口承文芸なので「[[高手小手]]」の起源は不明だが、正本としては17世紀までさかのぼることができる。
*1678年(延宝6年)の[[菱川師宣]]『'''古今役者物語'''』の中の「山ぜうだゆふ あんじゆのひめ([[三庄太夫 安寿の姫]])」に「いたはしやひめ君を、たかてこてにいましめて」とある<ref>[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/926050 『江戸時代文芸資料』]([[図書刊行会]], 1916)</ref>。
*1678年(延宝6年)の[[菱川師宣]]『'''古今役者物語'''』の中の「山ぜうだゆふ あんじゆのひめ([[三庄太夫 安寿の姫]])」に「いたはしやひめ君を、たかてこてにいましめて」とある<ref>[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/926050 『江戸時代文芸資料』]([[図書刊行会]], 1916)</ref>。
*1923年(大正12年)の真鍋儀十『'''地獄の黎明'''』(星風堂, 1923) [http://dl.ndl.go.jp/view/jpegOutput?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F908193&contentNo=21&outputScale=1 ,p16]に「何の咎で高手小手のいましめ」という章がある。
*1840年代(天保)の[[歌川國貞]]の春画『'''繪本開談夜之殿'''』には「寄つてかゝつて[[高手小手]]にくゝしつけ」と、[[高手]]位置での[[後手縛り]](胸縄はない)が描かれている。少なくともこの時期に「[[高手]]=高い位置」の解釈があったことを示す。
*1923年(大正12年)の真鍋儀十『'''地獄の黎明'''』(星風堂, 1923) [http://dl.ndl.go.jp/view/jpegOutput?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F908193&contentNo=21&outputScale=1 ,p16]に「何の咎で[[高手小手]]のいましめ」という章がある。
*[[奇譚クラブ]]1952年(昭和27年)1月号、笠置良夫『'''山窩のおろく'''』(挿絵:宮内三郎)の中に「おろくは[[高手小手]]に縛られていた」という表記が出てくる。
*[[奇譚クラブ]]1952年(昭和27年)4月号、[[岡田咲子]]『'''巫女屋敷の責め絵巻'''』の中に「落ちている荒縄で[[高手小手]]に縛り上げ」という表記が出てくる。
*[[奇譚クラブ]]1952年(昭和27年)7月号、染田玄『色情倒錯者の手紙』の中に「両手を[[高手小手]]に縛り上げ」という表記が出てくる。

2015年8月8日 (土) 08:25時点における最新版

  • 口承文芸として形成した説話、説教節の代表作でもある『山椒太夫』には「丹波の穴太より、尋ね出だし、高手小手に縛めて、国分寺へぞ引きたりける」のように、「高手小手」が使われていたようだ。他にも「愛護若」にも「いたわしや若君を、高手小手に縛め、桜の古木に吊り」と出てくる[1]。口承文芸なので「高手小手」の起源は不明だが、正本としては17世紀までさかのぼることができる。
  • 1678年(延宝6年)の菱川師宣古今役者物語』の中の「山ぜうだゆふ あんじゆのひめ(三庄太夫 安寿の姫)」に「いたはしやひめ君を、たかてこてにいましめて」とある[2]
  • 1840年代(天保)の歌川國貞の春画『繪本開談夜之殿』には「寄つてかゝつて高手小手にくゝしつけ」と、高手位置での後手縛り(胸縄はない)が描かれている。少なくともこの時期に「高手=高い位置」の解釈があったことを示す。
  • 1923年(大正12年)の真鍋儀十『地獄の黎明』(星風堂, 1923) ,p16に「何の咎で高手小手のいましめ」という章がある。
  • 奇譚クラブ1952年(昭和27年)1月号、笠置良夫『山窩のおろく』(挿絵:宮内三郎)の中に「おろくは高手小手に縛られていた」という表記が出てくる。
  • 奇譚クラブ1952年(昭和27年)4月号、岡田咲子巫女屋敷の責め絵巻』の中に「落ちている荒縄で高手小手に縛り上げ」という表記が出てくる。
  • 奇譚クラブ1952年(昭和27年)7月号、染田玄『色情倒錯者の手紙』の中に「両手を高手小手に縛り上げ」という表記が出てくる。
  1. 東洋文庫「説教節」(平凡社)
  2. 『江戸時代文芸資料』(図書刊行会, 1916)